縁側にて

(そだててきたもののいろやかたちで)

育ててきたものの色や形で

(じぶんのおもさをはかってしまわないで)

自分の重さを測ってしまわないで

(これからみつけていくもののおおさを)

これから見つけていくものの多さを

(めをふさがないでみてこぼさないで)

目を塞がないで見て　こぼさないで

(あのあさやけがみえるか)

あの朝焼けが見えるか

(よるにさくほしをしってるか)

夜に咲く星を知ってるか

(くだらないことのなかにも)

くだらないことの中にも

(わらえることもあるんだよ)

笑えることもあるんだよ

(このさきのふあんのなかに)

この先の不安の中に

(すこしのきたいをかくして)

少しの期待を隠して

(あるいていくそのすがたを)

歩いていくその姿を

(ことばはいらないただいのって)

言葉はいらない　ただ祈って

(そだててきたおもいでとかあいぞうで)

育ててきた思い出とか愛憎で

(じぶんのことばをころしてしまわないで)

自分の言葉を殺してしまわないで

(これからみつけていくもののおおさを)

これから見つけていくものの多さを

(おそれないでつかんではなさないで)

恐れないで　掴んで離さないで

(あのあさやけのさきには)

あの朝焼けの先には

(よるにさくほしのうらには)

夜に咲く星の裏には

(そらをおよぐくものうえには)

空を泳ぐ雲の上には

(なにがあるんだろうな)

何があるんだろうな

(くだらないことをはなして)

くだらないことを話して

(つたないことばをつむいで)

拙い言葉を紡いで

(あるいていくそのすがたを)

歩いていくその姿を

(ただねがって)

ただ願って

(そだててきたもののいろやかたちを)

育ててきたものの色や形を

(たいせつにしまっておいてこわさないで)

大切にしまっておいて　壊さないで

(それでもすすんでいくんだこのさきを)

「それでも進んでいくんだこの先を」

(それならまたはなそう)

それならまた話そう

(またここで)

またここで