【世界の終わり】正夢

(かなしいゆめをみたんだねきみのこころにあいた)

悲しい夢を見たんだね　君の心に空いた

(あなをぼくのなげたおはようがとおりぬけていった)

穴を僕の投げた「おはよう」が通り抜けていった

(きみがこころのおくにいだくいえることのないきずは)

君が心の奥に抱く癒える事のない傷は

(ゆめのなかでさえなまなましくいたみをはなつんだね)

夢の中でさえ生々しく痛みを放つんだね

(まだそとはくらいみょうにめもさえてしまったから)

まだ外は暗い　妙に目も冴えてしまったから

(ふたりであさひをまとうか)

2人で朝陽を待とうか

(まさゆめにならないように)

正夢にならないように

(どうかぼくにはなしてきずがぶりかえさぬように)

どうか僕に話して　傷がぶり返さぬように

(ひとにはなすとまさゆめにならない)

「ヒトに話すと正夢にならない」

(そんなのめいしんだってわらってきいてたんだけど)

そんなの迷信だって嘲笑って聞いてたんだけど

(だいぶあかるくなってきたこーひーでもいれようか)

だいぶ明るくなってきた　コーヒーでも淹れようか

(きょうはきみのまねをしてみるくおおめにそそいだ)

今日は君の真似をしてミルク多めに注いだ

(こんなふうにしてにがみがすっとうすまるような)

こんな風にして苦みがスッと薄まるような

(ことばをまほうみたいにかけることができたなら)

言葉を魔法みたいに掛ける事ができたなら

(きみがえがおをとりもどしてくれないと)

君が笑顔を取り戻してくれないと

(ぼくもちゃんとわらえないんだ)

僕もちゃんと笑えないんだ

(まさゆめにならないように)

正夢にならないように

(こびりついたさびしさをはなしてほしいけど)

こびりついた寂しさを　離して欲しいけど

(おなじいたみをしらないぼくに)

同じ痛みを知らない僕に

(そのきずをいやすことはできないのかな)

その傷を癒す事はできないのかな

(わたしたちはおなじみちをたどってきたわけじゃない)

「私たちは同じ道を辿ってきた訳じゃない。

(ちがってあたりまえだしおなじきずなんてないよ)

違って当たり前だし、同じ傷なんてないよ。

(だからこそわたしたちはひかれあったんでしょう)

だからこそ私たちは惹かれ合ったんでしょう？」

(なきながらめざめるよるが)

泣きながら目覚める夜が

(このさきもきっとあるだろうけど)

この先もきっとあるだろうけど

(そのときはまたきょうみたいに)

その時はまた今日みたいに

(はなしてあさひをまとう)

話して朝陽を待とう

(まさゆめにならないように)

正夢にならないように

(ぼくもきょうゆめをみたんだ)

僕も今日夢を見たんだ

(むじゃきなえがおのきみを)

無邪気な笑顔の君を

(でもきょうははなさないでおくよ)

でも今日は話さないでおくよ

(まさゆめになりますように)

正夢になりますように