今宵キミト

(おともなくろうそくがもえているよ)

音もなくろうそくが燃えているよ

(そのよこがおをじっとみながら)

その横顔をじっと見ながら

(たまにはこんなのもいいとおもうけど)

たまにはこんなのもいいと思うけど

(いったいきみはなにとたたかってるの)

いったい君は何と戦ってるの

(うわのそらなたいどみせられんのもつらいよ)

うわの空な態度みせられんのもつらいよ

(むなしげなそのめなみださえすんどめ)

むなしげなその目涙さえ寸止め

(かんがえだしたらさいごにっちゅうやとまらないよ)

考えだしたら最後日中夜とまらないよ

(いっそのことばくはつしてみせてよ)

いっそのこと爆発してみせてよ

(こよいきみとおもいきりはじけたいのに)

今宵君と思い切りハジけたいのに

(なぜにめせんはびみょうにずれたままもどらない)

なぜに目線は微妙にずれたまま戻らない

(はもったりしてうたったらさぞたのしいだろ)

ハモったりして歌ったらさぞ楽しいだろ

(けどぼくのことばはしゃぼんのように)

けど僕の言葉はしゃぼんのように

(つぎからつぎへとしぼんできえる)

次から次へとしぼんで消える

(ぼくらはとくにまちがったことなんて)

僕らは特に間違ったことなんて

(してきてはいないはずだろたぶん)

してきてはいないはずだろたぶん

(ただたいせつなもののじゅんじょがかわり)

ただ大切なものの順序が変わり

(しらないきみがかおをのぞかせるんだ)

知らない君が顔をのぞかせるんだ

(しんじたもののかちどんぞこまでおっこち)

信じたものの価値どん底まで落っこち

(あいするもののいのちあっけなくすいこむまち)

愛するものの命あっけなく吸い込む街

(あまりのあじけなさせかいのあさはかさ)

あまりの味気なさ世界のあさはかさ

(じぶんのおよばなさもうなげかないで)

自分の及ばなさもう嘆かないで

(こよいきみとやさしいゆめをみたいのに)

今宵君とやさしい夢を見たいのに

(なぜにそんなにかなしいゆめにつかまってるの)

なぜにそんなに哀しい夢に捉まってるの

(いかんともしがたいものはだれにでもある)

いかんともしがたいものは誰にでもある

(そしていまぼくをゆさぶりつづける)

そして今僕を揺さぶり続ける

(ただひとつのげんじつはきみなんだよ)

ただひとつの現実は君なんだよ

(もんだいはどこどこのだれ)

問題はどこどこの誰

(だれがいったいいとひいてんの)

誰がいったい糸ひいてんの

(ふかいやみやけにとおいあかり)

深い闇やけに遠い灯り

(とりあえずそのてをにぎらせてよ)

とりあえずその手を握らせてよ

(こよいきみとやさしいゆめをみたいのに)

今宵君とやさしい夢を見たいのに

(なぜにそんなにかなしいゆめにつかまってるの)

なぜにそんなに悲しい夢に捉まってるの

(そろいのすてっぷでもふんでおどけてみたいけど)

そろいのステップでも踏んでおどけてみたいけど

(そのこころにむけてただひたすらに)

その心に向けてただひたすらに

(うたでもうたいながらぼくはまとう)

歌でも歌いながら僕は待とう

(おともなくろうそくがもえつきるよ)

音もなくろうそくが燃え尽きるよ