参加賞

(もうじゅうぶんですくるしくなるのは)

もうじゅうぶんです苦しくなるのは

(たくさんないたしえらかったよ)

たくさん泣いたしえらかったよ

(もうじゅうぶんですやさしくなるのは)

もうじゅうぶんです優しくなるのは

(だってきみはもうやさしいんだから)

だって君はもう優しいんだから

(あしたはくるよとだれかがうたえば)

「明日は来るよ」と誰かが歌えば

(くるけどじごくだよこたえるぼくだった)

「来るけど地獄だよ」答える僕だった

(ひねくれすぎてねじれちゃって)

ひねくれすぎてねじれちゃって

(なにがほんとうのぼくかわからなくなってた)

何が本当の僕かわからなくなってた

(しぬきになれよしなないから)

死ぬ気になれよ死なないから

(いったいなににびびってんだよほんとうになににびびってんだろう)

いったい何にびびってんだよ本当に何にびびってんだろう

(きらわれてないよだいじょうぶさそんなにおまえをきにもしてないよ)

嫌われてないよ大丈夫さそんなにお前を気にもしてないよ

(わかってんだよでもなぜかこわいんだ)

わかってんだよでもなぜか怖いんだ

(もうじゅうぶんですよくやりました)

もうじゅうぶんですよくやりました

(だったらいますぐなんかくれよ)

だったら今すぐなんかくれよ

(じゃああなたはいったいなにがほしいの)

じゃああなたは一体何が欲しいの

(そうだなできればさんかしょうがほしいな)

そうだなできれば参加賞がほしいな

(ひとつでいいちいさくていいしょうきんなんてだれかにあげるから)

ひとつでいい小さくていい賞金なんて誰かにあげるから

(ここにいたってことしょうめいしてみせてよ)

「ここにいた」ってこと証明してみせてよ

(しんだっていいよしぬんだからぼくのさいごのひはいつですか)

死んだっていいよ死ぬんだから僕の最後の日はいつですか

(せめてそのまえのひまでにはじゅんびしておいてよ)

せめてその前の日までには準備しておいてよ

(くるしくていいなれてるから)

苦しくていいなれてるから

(かなしくていいよなれてるから)

悲しくていいよなれてるから

(いたくてもいいよなれてるから)

痛くてもいいよなれてるから

(でもやさしくしないでよ)

でも優しくしないでよ

(なくから)

泣くから

(ないてもいいんだよきにしなくていいよ)

「泣いてもいいんだよ」「気にしなくていいよ」

(やっぱりきみがやさしくいうから)

やっぱり君が優しく言うから

(じゅんびするどころかあるはずなんてない)

準備するどころかあるはずなんてない

(いきてるってしょうこをわたしてくれたんだ)

「生きてる」って証拠を渡してくれたんだ

(からっぽのぼくのてにからっぽのきみのてで)

空っぽの僕の手に空っぽの君の手で

(にぎりしめてくれたほらここにあるよって)

握りしめてくれた「ほらここにあるよ」って

(ふざけんなよっていいながらないた)

「ふざけんなよ」って言いながら泣いた