「普通」の街～フェアリーランド～

(きみはわたしとおおちがいだね)

君は私と大違いだね

(はねもないしいろもちがうし)

羽もないし 色も違うし

(きみのようにそらをとべるはずないよ)

君のように空を 飛べるはずないよ

(うかぶまちなみそれをへだつかわ)

浮かぶ街並み それを隔だつ河

(みちもないしはしもないし)

道もないし 橋もないし

(たかいところのほんもきみはひらりふわりふんわり)

高いところの本も 君はひらりふわりふんわり

(わたしにさしだしてほほえむの)

私に差し出して微笑むの

(わたしをしりぞけるようにつくられたせかいで)

私を 退けるように作られた世界で

(みんなはふつうにいきてる)

みんなは「普通」に生きてる

(ひとりじゃなにもできないようにつくられている)

一人じゃ何もできないようにつくられている

(ちっぽけでふかんぜんなわたし)

ちっぽけで不完全な私

(だれもがふつうにいきられるせかいは)

誰もが「普通」に生きられる世界は

(ほんとうはいつわりなんでしょ)

本当は偽りなんでしょ

(このそらにうかぶしまできみのようになれたらいいのにな)

この空に浮かぶ島で 君のようになれたらいいのにな

(きみとはおおちがいだしひとりじゃなにもできないし)

君とは大違いだし 一人じゃ何もできないし

(はねのないわたしはほんさえとれないの)

羽のない私は本さえ取れないの

(こんなわたしはめいわくよね)

こんな私は迷惑よね

(わたしをしりぞけるようにつくられたせかいは)

私を 退けるように作られた世界は

(ちっぽけなわたしをしらない)

ちっぽけな私を知らない

(まちをへだつかわもかぜもきみとはちがうわたし)

街を隔つ河も風も 君とは違う私

(ひとりじゃなにもこえられないわ)

一人じゃなにも越えられないわ

(だれもがふつうにいきられるせかいじゃ)

誰もが「普通」に生きられる世界じゃ

(わたしはひとりぼっちだね)

私はひとりぼっちだね

(きみとおなじだったなら)

君と同じだったなら

(きみのようにふつうにいきられたかな)

君のように「普通」に生きられたかな

(それでも)

それでも

(わたしをしりぞけるようにつくられたせかいも)

私を 退けるように作られた世界も

(このてをとってくれたなら)

この手を取ってくれたなら

(まちをへだつかわもかぜもせのたかいほんだなも)

街を隔つ河も風も背の高い本棚も

(ふんわりとびこえていけるわ)

ふんわり飛び越えていけるわ

(だれもがふつうにいきられるせかいの)

誰もが「普通」に生きられる世界の

(このそらにうかぶしまできみのそばにいていいかな)

この空に浮かぶ島で 君の側にいていいかな

(このうかぶしまのそらできみのりょうてをとってもいいかな)

この浮かぶ島の空で 君の両手をとってもいいかな