水泡「意味怖」

(おれはこうこうせいたんてい、くどうしんじ。)

俺は高校生探偵、工藤進司。

(きょうはおさなじみのゆうじんたちとともに、だいじなしけんかいじょうにきている。)

今日は幼じみの友人たちと共に、大事な試験会場に来ている。

(あいずとともにいっせいにうごきだすぺんのおと。)

合図とともにいっせいに動き出すペンの音。

(しずかなへやにとけいのおととぺんのおとだけがひびく。)

静かな部屋に時計の音とペンの音だけが響く。

(だめだ、むずかしい。)

ダメだ、難しい。

(じょばんはじゅんちょうだったが、もんだいのちゅうばんにさしかかり、めにみえてなんいどがあがった。)

序盤は順調だったが、問題の中盤に差しかかり、目に見えて難易度が上がった。

(じかんがすぎるのがはやくかんじる。)

時間が過ぎるのが早く感じる。

(おちつけ。むずかしいか、ぜったいにとけないというほどでもないはずだ。)

落ち着け。難しいか、絶対に解けないというほどでもないはずだ。

(おれのずのうをもってすれば、おちついてじかんをかければできる。)

俺の頭脳をもってすれば、落ち着いて時間をかければできる。

(おれはじぶんにそういいきかせ、ひっしにけいさんようしにすうしきをかきなぐり、よこのようしに)

俺は自分にそういいきかせ、必死に計算用紙に数式をかきなぐり、横の用紙に

(えんぴつでまーくしていく。)

鉛筆でマークしていく。

(たいかんてきに、もういちどおなじもんだいをかきなおすじかんはない。)

体感的に、もう一度同じ問題を書き直す時間はない。

(１かいでとききるためしんけいをもんだいにしゅうちゅうさせる。)

1回で解き切るため神経を問題に集中させる。

(やれる、やれるぞ・・・！)

やれる、やれるぞ…！

(なんとかさいごのもんだいまでこれた。)

何とか最後の問題まで来れた。

(ここまできたらじかんときあいのしょうぶだ。)

ここまで来たら時間と気合いの勝負だ。

(しゅうちゅうりょくをばくはつさせて、さいごのなんもんにむきあう。)

集中力を爆発させて、最後の難問に向き合う。

(．．．やった！こたえがだせた！)

...やった！答えが出せた！

(たぶんこれであっているはすだ。)

多分これで合っているはすだ。

(のこりじかんは１ぷんしょうしょうといったところだから、どちらにせよかくにんするじかんはない。)

残り時間は1分少々といったところだから、どちらにせよ確認する時間はない。