ある犬のお話（殺処分０を願って）

(あなたがおしえてくれたたんぽぽのみち、いっしょにあそんだこうえん)

あなたが教えてくれたたんぽぽのみち、一緒に遊んだ公園

(ひとまわりしてもどってきたけど、きょうはおうちにはいりません。)

ひとまわりして戻ってきたけど、今日はお家に入りません。

(なんだか、とくべつなひです)

なんだか、特別な日です

(くるまのまどからみえる、みなれないけしき)

車の窓から見える、見慣れない景色

(ここはきたことのないところ、おるすばんかな)

ここは来たことのないところ、お留守番かな

(でも、あなたはいつもとすこしちがいました。)

でも、あなたはいつもと少し違いました。

(なにもいわずにぼくのかおをみて、すこしかなしそうなかおをしていました。)

何もいわずに僕の顔をみて、少し悲しそうな顔をしていました。

(だいじょうぶだよ、ぼくはいいこにまっているから。)

大丈夫だよ、僕はいい子に待っているから。

(つめたいへや、かなしいにおいがしました。)

冷たい部屋、悲しい匂いがしました。

(ぼくはつめたいゆかにひとりでねました)

僕は冷たい床に一人で寝ました

(かなしいこえがいっぱいきこえてきて、ぼくはすこし、さびしくなりました。)

悲しい声がいっぱい聞こえてきて、僕は少し、寂しくなりました。

(でもすぐに、あなたがむかえにきてくれるから。だいじょうぶ。)

でもすぐに、あなたが迎えに来てくれるから。大丈夫。

(ぼくはまいにちここにすわってまっていました。)

僕は毎日ここに座って待っていました。

(あなたがきたらいちばんにみつけられるように。)

あなたが来たら一番に見つけられるように。

(いりぐちがよくみえるこのばしょにすわってまちました)

入口がよく見えるこの場所に座って待ちました

(ぼくがいいこにしていたら、あなたはなんていうかな)

僕がいい子にしていたら、あなたはなんていうかな

(いいこだったねっていうかな)

いい子だったねっていうかな

(なんかいかよるがこて、なんかいかあさがこて、、、)

何回か夜が来て、何回か朝が来て、、、

(ぼくは、べつのばしょへつれていかれました。 )

僕は、別の場所へ連れて行かれました。

(そこにはおともだちがたくさんいました。)

そこにはお友達がたくさんいました。

(ぼくがなかにはいると、とびらはしめられてしまいました)

僕が中に入ると、扉はしめられてしまいました

(とびらはいくらあけようとしても、あけることができません)

扉はいくら開けようとしても、開ける事ができません

(しばらくすると、なんだかいきがくるしくなってきました)

しばらくすると、なんだか息が苦しくなってきました

(みんな、たっていることができなくて、つぎつぎにたおれていきました。)

みんな、立っていることができなくて、次々に倒れていきました。

(そして、ぼくも、、、)

そして、僕も、、、

(ぼくはあるいていました。あなたといっしょにあるいたみち)

僕は歩いていました。あなたと一緒に歩いた道

(あなたがおしえてくれたたんぽぽのみち)

あなたが教えてくれたたんぽぽの道

(このさきをまがれば、またあなたにあえる)

この先を曲がれば、またあなたに会える

(きっとあなたも、ぼくにあるいているのをまっているはず)

きっとあなたも、僕に歩いているのを待っているはず

(そうおもうとなんだかうれしくなってぼくははしりだしましたただいま)

そう思うとなんだか嬉しくなって僕は走り出しましたただいま