カナシミトレイン

(ああゆらりときしゃはいく)

ああゆらりと汽車は行く

(あさとよるをのせて)

朝と夜を乗せて

(うしろのはしたたずみ)

後ろの端佇み

(かぜとときとひとり)

風と時と一人

(どっかできおくはきえて)

どっかで記憶は消えて

(ここがつぎのきおく)

ここが次の記憶

(いったいどこまでいくの)

一体どこまで行くの？

(そらはぐずついてる)

空はぐずついてる

(ぬれたてすりにふれる)

濡れた手すりに触れる

(ふれたらふとよみがえる)

触れたらふと蘇る

(かなしくてはきだしたおもいは)

悲しくて吐き出した想いは

(そらにとけてそういまになって)

空に溶けて　そう今になって

(ふりそそいでるらしい)

降り注いでるらしい

(あめふりのちみらい)

雨降りのち未来

(いまだれかのこえがそっと)

今誰かの声がそっと

(きこえたきがしてふりかえるよ)

聞こえた気がして　振り返るよ

(けどだれもいないのに)

けど誰もいないのに

(みおぼえのあるけしき)

見覚えのある景色

(ぼくのすきなけしき)

僕の好きな景色

(そのなかにすこしずつ)

その中に少しずつ

(なみだとかしていく)

涙溶かしていく

(ひびもくらしのなかじゃ)

日々も暮らしの中じゃ

(せまるすぴーどがはやすぎて)

迫るスピードが速すぎて

(かんたんにはけせないから)

簡単には消せないから

(こんなふうにして)

こんな風にして

(まぜあわせてゆっくりうすめていこう)

混ぜ合わせて　ゆっくり薄めていこう

(あめふりのちみらい)

雨降のち未来

(いまだれかのこえがそっと)

今誰かの声がそっと

(きこえたきがしてふりかえるよ)

聞こえた気がして　振り返るよ

(けどだれもいないのに)

けど誰もいないのに

(とりもどせなくてかせきになる)

取り戻せなくて化石になる

(そんなふうにかなしみも)

そんな風に悲しみも

(いつかおわるよぜんぶながせば)

いつか終わるよ　全部流せば

(だいすきなけしきもひかりにつつまれて)

大好きな景色も光に包まれて

(きらきらほら)

キラキラ　ほら

(かがやいてるみえるかい？)

輝いてる　見えるかい？

(きこえるこえをたよりに)

聞こえる声を頼りに

(みぎひだりみまわしてみる)

右左見回してみる

(いないよな)

いないよな

(だれもいないけれど)

誰もいないけれど

(きしゃとかぜとときははしる)

汽車と風と時は走る

(こころもさきへいく)

心も先へ行く

(あめふりのちみらい)

雨降りのち未来

(いまだれかのこえがそっと)

今誰かの声がそっと

(きこえたきがして)

聞こえた気がして

(とおくさきをみてる)

遠く先を見てる

(あめふりのちみらい)

雨降りのち未来

(もうすぐしゅうちゃくえきで)

もうすぐ終着駅で

(だいじょうぶわらえるよ)

大丈夫　笑えるよ

(かなしみはけしきとともに)

悲しみは景色と共に

(ながれてきえたよ)

流れて消えたよ

(いれちがいにのったひと)

入れ違いに乗った人

(とおいめをしている)

遠い目をしている

(ああゆらりときしゃはいく)

ああゆらりと汽車は行く

(かこといまをのせて)

過去と今を乗せて