ライカを追って

(あせっただれかがとばしたうちゅうろけっとが)

焦った誰かが飛ばした　宇宙ロケットが

(つきのはんぶんをかじりとって)

月の半分を齧りとって

(ふたりできいていたらじかせがふわっとういた)

二人で聴いていたラジカセがふわっと浮いた

(えほんのなかのわるいまじょみたい)

絵本の中の悪い魔女みたい

(ごきんじょさんはみんなあつまって)

ご近所さんはみんな集まって

(ふくをきたばすけっとぼーる)

服を着たバスケットボール

(うちゅういぬをめざしちゃってんぞ)

宇宙犬を目指しちゃってんぞ

(たわいのないかいわもだれかのちいさなわるぐちもいっしょくたにして)

他愛のない会話も　誰かの小さな悪口も一緒くたにして

(たのしげにはなすよすろーぷをりょうてでつかまえて)

楽しげに話すよ　スロープを両手で捕まえて

(あれからじかんだけたったうちゅうろけっとが)

あれから時間だけ経った　宇宙ロケットが

(つきのはんぶんをもっていったって)

月の半分を持っていったって

(びっくりしちゃっただれもうたがわない)

びっくりしちゃった誰も疑わない

(へんかをうけいれている)

変化を受け入れている

(つきでまっていてくれるかな)

月で待っていてくれるかな

(きみのかわいいうちゅうふくをほめて)

君の可愛い宇宙服を褒めて

(きをきかせてじゅーすもふたつ)

気を利かせてジュースも二つ

(あまいのをえらんだのはうかつだったのかぁ)

甘いのを選んだのは　迂闊だったのかぁ

(かるくなってくのかな)

軽くなってくのかな

(ゆううつもさいきんのたべすぎもかってにたしちゃってさ)

憂鬱も最近の食べ過ぎも勝手に足しちゃってさ

(とんでいけよとんでいこう)

飛んで行けよ　飛んで行こう

(しらないうちにわすれていった)

知らないうちに　忘れていった

(しおりはふたりでべつのせかいせん)

栞は二人で別の世界線

(あいがかるいだとかこころがおもいとか)

愛が軽いだとか心が重いとか

(ぜんぶぜんぶそうだいなつなひき)

全部全部　壮大な綱引き

(まだこわいんだまどからみえる)

まだ怖いんだ窓から見える

(さかさまみたいなまちもぼくらも)

逆さまみたいな街も僕らも

(ふたりでなかまはずれがいいな)

二人で仲間外れがいいな

(どこかさいきんはうかれてる)

どこか最近は浮かれてる

(つきでまっていてくれるなら)

月で待っていてくれるなら

(とびこむからふわりとうけとめて)

飛び込むからふわりと受け止めて

(くせっけはかくしてあるこう)

癖っ毛は隠して歩こう

(いつかはすべてうけとめてもらいたいな)

いつかは全て受け止めて貰いたいな

(かるくなってくとしたら)

軽くなってくとしたら

(げーむきとぼくのこれまで)

ゲーム機と僕のこれまで

(ぜんぶぜんぶつめこんでいこう)

全部全部 詰め込んで行こう

(とんでくよまっててよ)

飛んでくよ　待っててよ

(あせっただれかがとばしたうちゅうろけっとが)

焦った誰かが飛ばした　宇宙ロケットが

(つきのはんぶんをふきとばしたこと)

月の半分を　吹き飛ばしたこと

(えらいひとたちのいいあうこえは)

偉い人たちの言い合う声は

(すぐにとおくなっていく)

すぐに遠くなっていく

(つきでまっていてくれるかな)

月で待っていてくれるかな

(きみのてがみからこいをあつめて)

君の手紙から恋を集めて

(ふうせんはふくらんでいく)

風船は膨らんでいく

(つきのうらでまっているきみめがけて)

月の裏で待っている　君目掛けて

(じゃあ！よるになったらむかうよ)

じゃあ！　夜になったら向かうよ

(まちにかげをおとしながら)

街に影を落としながら

(あのえいがのわんしーんなぞって)

あの映画のワンシーンなぞって

(とんでくよまっててよ)

飛んでくよ　待っててよ

(とんでいけよとんでいこう)

飛んで行けよ　飛んで行こう