長文練習22!

・スマホ向けフリック入力タイピングはこちら
※アプリのインストールが必要です。
・PC向けタイピングはこちら
タブレット+BlueToothキーボードのプレイもこちらがオススメです!
Webアプリでプレイ
投稿者投稿者まりとっつぉ🎐いいね0お気に入り登録
プレイ回数18難易度(3.9) 2260打 長文 長文モード推奨
ストーリー系ですっ!

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示
(なつのおわりになると、わたしはきまってあのえきをおもいだす。) 夏の終わりになると、私は決まってあの駅を思い出す。 (うみのちかくにある、ちいさなむじんえきだった。) 海の近くにある、小さな無人駅だった。 (でんしゃはいちじかんにいっぽんしかこなくて、ほーむにはふるいきのべんちがおかれている。) 電車は一時間に一本しか来なくて、ホームには古い木のベンチが置かれている。 (こうこうにねんのなつ、わたしはそこでそふをまっていた。) 高校二年の夏、私はそこで祖父を待っていた。 (そふはむかしからじかんにせいかくなひとだったが、) 祖父は昔から時間に正確な人だったが、 (そのひだけはなかなかあらわれなかった。) その日だけはなかなか現れなかった。 (そらにはうすいくもがひろがり、しおかぜがしずかにふいていた。) 空には薄い雲が広がり、潮風が静かに吹いていた。 (わたしはべんちにすわりながら、ぼんやりせんろのさきをながめていた。) 私はベンチに座りながら、ぼんやり線路の先を眺めていた。 (とおくでふみきりのおとがなる。) 遠くで踏切の音が鳴る。 (けれど、やってきたでんしゃからそふはおりてこなかった。) けれど、やってきた電車から祖父は降りてこなかった。
(かわりに、ひとりのろうじんがわたしのとなりにこしをおろした。) 代わりに、一人の老人が私の隣に腰を下ろした。 (むぎわらぼうしをかぶり、すこしくたびれたしろいしゃつをきている。) 麦わら帽子をかぶり、少しくたびれた白いシャツを着ている。 (どこにでもいそうなろうじんだった。) どこにでもいそうな老人だった。 (「あついねえ」) 「暑いねえ」 (ろうじんはそういってわらった。) 老人はそう言って笑った。 (わたしはかるくえしゃくをして、またうみのほうをみる。) 私は軽く会釈をして、また海の方を見る。 (なみのおとだけが、しずかにくりかえされていた。) 波の音だけが、静かに繰り返されていた。 (しばらくちんもくがつづいたあと、ろうじんがぽつりといった。) しばらく沈黙が続いたあと、老人がぽつりと言った。 (「まっているじかんというのは、ふしぎなものだね」) 「待っている時間というのは、不思議なものだね」 (わたしはいみがわからず、あいまいにうなずいた。) 私は意味がわからず、曖昧に頷いた。
など
(「くるかもしれない、こないかもしれない。それでもひとはだれかをまってしまう」) 「来るかもしれない、来ないかもしれない。それでも人は誰かを待ってしまう」 (そのことばが、なぜかむねにのこった。) その言葉が、なぜか胸に残った。 (わたしはちいさいころから、そふがすこしにがてだった。) 私は小さいころから、祖父が少し苦手だった。 (きびしくて、むくちで、なにをかんがえているのかわからなかった。) 厳しくて、無口で、何を考えているのかわからなかった。 (それでもまいとしなつになると、そふはわたしをこのまちへつれてきた。) それでも毎年夏になると、祖父は私をこの町へ連れてきた。 (うみをみて、えきまであるき、かえりにあいすをかう。) 海を見て、駅まで歩き、帰りにアイスを買う。 (ただそれだけのことを、まいとしくりかえしていた。) ただそれだけのことを、毎年繰り返していた。 (とうじのわたしは、それをたいくつだとおもっていた。) 当時の私は、それを退屈だと思っていた。 (けれどいまになっておもえば、) けれど今になって思えば、 (そふはおなじけしきをわたしにのこそうとしていたのかもしれない。) 祖父は同じ景色を私に残そうとしていたのかもしれない。 (ろうじんはしずかにたちあがった。) 老人は静かに立ち上がった。 (「まっているひとがきたら、ちゃんとかおをみなさい」) 「待っている人が来たら、ちゃんと顔を見なさい」 (そういいのこして、ゆっくりえきをでていく。) そう言い残して、ゆっくり駅を出ていく。 (いれちがうようにして、つぎのでんしゃがほーむへすべりこんできた。) 入れ違うようにして、次の電車がホームへ滑り込んできた。 (どあがひらき、ひとがすうにんおりてくる。) ドアが開き、人が数人降りてくる。 (そのさいごに、そふのすがたがあった。) その最後に、祖父の姿があった。 (すこしいきをきらしながら、こちらへあるいてくる。) 少し息を切らしながら、こちらへ歩いてくる。 (「わるかったな。いっぽんのりおくれた」) 「悪かったな。一本乗り遅れた」 (そふはそれだけいった。) 祖父はそれだけ言った。 (わたしはなぜか、すぐにへんじができなかった。) 私はなぜか、すぐに返事ができなかった。 (さっきのろうじんのことばが、むねのおくでしずかにひびいていたからだ。) さっきの老人の言葉が、胸の奥で静かに響いていたからだ。 (わたしはたちあがり、そふのかおをちゃんとみた。) 私は立ち上がり、祖父の顔をちゃんと見た。 (ひにやけたひたい。) 日に焼けた額。 (ふかくきざまれたしわ。) 深く刻まれたしわ。 (すこしだけつかれたようなめ。) 少しだけ疲れたような目。 (そのときはじめて、そふもまたとしをとっていたのだときづいた。) そのとき初めて、祖父もまた年を取っていたのだと気づいた。 (うみからふくかぜが、ほーむをしずかにとおりすぎていく。) 海から吹く風が、ホームを静かに通り過ぎていく。 (そふはふしぎそうにこちらをみた。) 祖父は不思議そうにこちらを見た。 (「どうした」) 「どうした」 (わたしはすこしわらって、ちいさくくびをふった。) 私は少し笑って、小さく首を振った。 (「なんでもない」) 「なんでもない」 (ほんとうは、すこしだけわかったきがしたのだ。) 本当は、少しだけわかった気がしたのだ。 (まいとしおなじなつをくりかえしていたりゆうを。) 毎年同じ夏を繰り返していた理由を。 (かわらないけしきをみせつづけていたりゆうを。) 変わらない景色を見せ続けていた理由を。 (そして、いつかうしなわれるものほど、ひとはたいせつにおぼえているということを。) そして、いつか失われるものほど、人は大切に覚えているということを。
問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

まりとっつぉ🎐のタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード