録音データの怪

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投稿者投稿者エスケーファンだいいね1お気に入り登録
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怖い話
今回はななな、なんと ひっっっさびさに怖い話つくります!
つくってなかったね
第2弾だ〜!
もっっちろんAI
背景もすべてAIにまかせる

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問題文

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(わたしのゆうじんであるたくやは、だいがくのそつぎょうろんぶんのために) 私の友人であるタクヤは、大学の卒業論文のために (「かんきょうおんのろくおん(ふぃーるどれこーでぃんぐ)」をおこなっていた。) 「環境音の録音(フィールドレコーディング)」を行っていた。 (とかいのけんそう、しんやのじゅうたくがい、むじんのさんりんなど、あらゆるばしょの) 都会の喧騒、深夜の住宅街、無人の山林など、あらゆる場所の (「むおんにみえるおと」をこうせいのうまいくでひろい、しゅうはすうをぶんせきするのだという。) 「無音に見える音」を高性能マイクで拾い、周波数を分析するのだという。 (あるひ、たくやから「へんなおとがとれたからきいてほしい」とれんらくがあった。) ある日、タクヤから「変な音が撮れたから聞いてほしい」と連絡があった。 (いざかやでまちあわせると、かれはひどくやつれ、) 居酒屋で待ち合わせると、彼はひどくやつれ、 (めのしたにまっくろなくまをつくっていた。) 目の下に真っ黒なクマを作っていた。 (「これ、おとといのしんや2じに、しないのさびれたこうかかでとったやつなんだ」) 「これ、一昨日の深夜2時に、市内の寂れた高架下で録ったやつなんだ」 (たくやはふるえるてですまーとふぉんをそうさし、) タクヤは震える手でスマートフォンを操作し、 (いやほんをわたしにかたほうわたしてきた。さいせいぼたんがおされる。) イヤホンを私に片方渡してきた。再生ボタンが押される。 (「ざー・・・・・・」というしずかなほわいとのいずのなかに、) 『ザー……』という静かなホワイトノイズの中に、 (かすかにとおくをはしるくるまのおとがきこえる。) かすかに遠くを走る車の音が聞こえる。 (とくにかわったところはない。そうおもったしゅんかんだった。) 特に変わったところはない。そう思った瞬間だった。 (「・・・・・・と・・・・・・、・・・・・・み・・・・・・」) 『……ト……、……ミ……』 (なにか、にんげんのこえのようなものがまじっている。) 何か、人間の声のようなものが混じっている。 (それも、つうじょうのおんせいではない。まるでてーぷをはやまわししたような、) それも、通常の音声ではない。まるでテープを早回ししたような、 (あるいはふしぜんにひきのばしたような、おかしなこうおんだった。) あるいは不自然に引き伸ばしたような、おかしな高音だった。 (「なんかいってるな。なんていってるんだ?」) 「なんか言ってるな。なんて言ってるんだ?」 (わたしがたずねると、たくやはあおざめたかおでわたしをぎょうしした。) 私が尋ねると、タクヤは青ざめた顔で私を凝視した。 (「これね、さいせいそくどを「1まんぶんの1」におとして、) 「これね、再生速度を『1万分の1』に落として、
など
(おんていをきょくげんまでさげてはじめて、にんげんのことばとしてききとれるんだよ。) 音程を極限まで下げて初めて、人間の言葉として聞き取れるんだよ。 (はじめのおとは、にんげんにはただの「ちっ」っていういっしゅんののいずにしかきこえない。) 元の音は、人間にはただの『チッ』っていう一瞬のノイズにしか聞こえない。 (おれ、きになってかいせきそふとできょくげんまでひきのばしてみたんだ」) 俺、気になって解析ソフトで極限まで引き伸ばしてみたんだ」 (たくやはすまほのがめんをたっぷし、べつのふぁいるをひらいた。) タクヤはスマホの画面をタップし、別のファイルを開いた。 (「これが、ひきのばしたでーた」) 「これが、引き伸ばしたデータ」 (さいせいされたおとをきいて、わたしはせすじがこおりついた。) 再生された音を聴いて、私は背筋が凍りついた。 (「ーーみーーつーーけーーたーーぞーー」) 『ーーみーーつーーけーーたーーぞーー』 (ちょうていおんの、しかしじひびきのような、おぞましいおとこともおんなともつかないこえが、) 超低音の、しかし地響きのような、悍ましい男とも女ともつかない声が、 (ひともじずつすうじゅうびょうかけてひびいた。) 一文字ずつ数十秒かけて響いた。 (とりはだがとまらなかった。だが、ほんとうにおそろしいのはここからだった。) 鳥肌が止まらなかった。だが、本当に恐ろしいのはここからだった。 (「なぁ、おかしいとおもわないか?」たくやはぶつぶつとつぶやきはじめた。) 「なぁ、おかしいと思わないか?」タクヤはブツブツと呟き始めた。 (「おとを1まんばいにひきのばしたんだよ?つまり、このこえのぬしは、) 「音を1万倍に引き伸ばしたんだよ? つまり、この声の主は、 (にんげんの1まんばいのすぴーどでいきているんだ。) 人間の1万倍のスピードで生きているんだ。 (いや、ぎゃくか。おれたちとはまったくちがうじかんのながれのなかにいる。) いや、逆か。俺たちとは全く違う時間の流れの中にいる。 (いっしゅんの「ちっ」というおとのなかに、このことばがつまってたんだ」) 一瞬の『チッ』という音の中に、この言葉が詰まってたんだ」 (わたしはことばをうしなった。げんじつばなれしたはなしだが、あのこえのなまなましさはいじょうだった。) 私は言葉を失った。現実離れした話だが、あの声の生々しさは異常だった。 (そのひは「もうあのでーたはけせ」とたくやにつよくいいきかせ、わかれた。) その日は「もうあのデータは消せ」とタクヤに強く言い聞かせ、別れた。 (よくあさ、たくやのははおやからわたしのけいたいにでんわがあった。たくやがいえからきえたという) 翌朝、タクヤの母親から私の携帯に電話があった。タクヤが家から消えたという (へやはかぎがかかっており、すまーとふぉんだけがつくえのうえにのこされていた。) 部屋は鍵がかかっており、スマートフォンだけが机の上に残されていた。 (けいさつもそうさくしたが、じけんせいのうむもわからず、あしどりはまったくつかめなかった。) 警察も捜索したが、事件性の有無も分からず、足取りは全く掴めなかった。 (ただ、けいさつがかいしゅうするまえに、ははおやがたくやのすまほのがめんをみてふしんにおもったてん) ただ、警察が回収する前に、母親がタクヤのスマホの画面を見て不審に思った点 (をわたしにおしえてくれた。) を私に教えてくれた。 (「たくやのへやのつくえのうえに、ぼいすれこーだーあぷりがきどうしたまますまほがお) 「タクヤの部屋の机の上に、ボイスレコーダーアプリが起動したままスマホが置 (いてあったんです。) いてあったんです。 (いまも「ろくおんちゅう」のまま、たいまーがうごいていました。でも、おかしなことがひとつ) 今も『録音中』のまま、タイマーが動いていました。でも、おかしなことが一つ (だけあって・・・・・・」) だけあって……」 (ははおやのこえはふるえていた。) 母親の声は震えていた。 (「ろくおんをはじめてから、まだすうじかんしかたっていないはずなのに、) 「録音を始めてから、まだ数時間しか経っていないはずなのに、 (がめんにひょうじされているろくおんじかんのかうんたーが、しんじられないすぴーどでまわって) 画面に表示されている録音時間のカウンターが、信じられないスピードで回って (いたんです。) いたんです。 (ものすごいいきおいで、なにまんじかん、なにまんにちっていうすうじにふえつづけていて・・・・・・」) ものすごい勢いで、何万時間、何万日っていう数字に増え続けていて……」 (わたしはそのしゅんかん、すべてをりかいしてしまった。) 私はその瞬間、すべてを理解してしまった。 (たくやはへやからつれさられたのではない。) タクヤは部屋から連れ去られたのではない。 (あの「1まんばいのそくどでうごくもの」につかまり、かれらのじかんのながれのなかにひきずりこ) あの「1万倍の速度で動くモノ」に捕まり、彼らの時間の流れの中に引きずり込 (まれたのだ。) まれたのだ。 (かれにとっての「いっしゅん」は、わたしたちのせかいではすうじつ、すうねん。) 彼にとっての「一瞬」は、私たちの世界では数日、数年。 (ぎゃくに、わたしたちが「あ、たくやがきえた」ときづいたそのいっしゅんのあいだに、) 逆に、私たちが「あ、タクヤが消えた」と気づいたその一瞬の間に、 (たくやはかれらのせかいで、もうなにじゅうねんものかん、) タクヤは彼らの世界で、もう何十年もの間、 (あのこえのぬしからにげまどい、あるいはごうもんされつづけているのかもしれない。) あの声の主から逃げ惑い、あるいは拷問され続けているのかもしれない。 (いまもわたしのみみのおくで、ときおり「ちっ」というちいさなのいずがきこえる。) 今も私の耳の奥で、時折『チッ』という小さなノイズが聞こえる。 (それはだれかが、たすけをもとめてさけんでいるこえなのだろうか。) それは誰かが、助けを求めて叫んでいる声なのだろうか。
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