小説長文9! 第一話

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投稿者投稿者白鮮まり @まりとっつぉ🎐 🩵❄️🪽✨いいね0お気に入り登録
プレイ回数3難易度(3.1) 1295打 長文
恋愛小説系です!「雨音に紛れた恋」第一話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!

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(わたし、あさくらさなは、あのひとがきらいだった。) 私、朝倉紗奈は、あの人が嫌いだった。 (はじめてあったときから、なんとなくにがてだった。) 初めて会った時から、なんとなく苦手だった。 (りゆうはたんじゅん。) 理由は単純。 (せきがとなりなのに、ほとんどはなさない。) 席が隣なのに、ほとんど話さない。 (じゅぎょうちゅうもむひょうじょう。) 授業中も無表情。 (やすみじかんもひとり。) 休み時間も一人。 (なまえは、かみやみなと。) 名前は、神谷湊。 (くらすでは「むくちでこわいだんし」としてゆうめいだった。) クラスでは「無口で怖い男子」として有名だった。 (「かみやくんって、ちょっとちかよりがたいよね。」) 「神谷くんって、ちょっと近寄りがたいよね。」 (ともだちがそういったとき、わたしはちいさくうなずいた。) 友達がそう言った時、私は小さく頷いた。
(「うん。わかる。」) 「うん。分かる。」 (べつにきらいなわけじゃない。) 別に嫌いなわけじゃない。 (ただ、なにをかんがえているのかわからない。) ただ、何を考えているのか分からない。 (それだけだった。) それだけだった。 (あるひのほうかご。) ある日の放課後。 (とつぜん、はげしいあめがふりはじめた。) 突然、激しい雨が降り始めた。 (わたしはかさをもってきていなかった。) 私は傘を持ってきていなかった。 (「さいあく......。」) 「最悪......。」 (しょうこうぐちであめをながめていると、となりにだれかがたった。) 昇降口で雨を眺めていると、隣に誰かが立った。 (「これ、つかえば。」) 「これ、使えば。」
など
(ふりかえる。) 振り返る。 (かみやくんだった。) 神谷くんだった。 (「え?」) 「え?」 (「かさ。」) 「傘。」 (かれはじぶんのかさをわたしにさしだしていた。) 彼は自分の傘を私に差し出していた。 (「でも、かみやくんは?」) 「でも、神谷くんは?」 (「おれははしるから。」) 「俺は走るから。」 (「むりでしょ、こんなあめ。」) 「無理でしょ、こんな雨。」 (「だいじょうぶ。」) 「大丈夫。」 (それだけいって、かみやくんはあめのなかへはしっていった。) それだけ言って、神谷くんは雨の中へ走っていった。 (「ちょっと......!」) 「ちょっと......!」 (よびとめるひまもなかった。) 呼び止める暇もなかった。 (わたしはてのなかのかさをみつめた。) 私は手の中の傘を見つめた。 (そして、はじめておもった。) そして、初めて思った。 (もしかして。) もしかして。 (このひと、こわいんじゃなくて。) この人、怖いんじゃなくて。 (ただ、ぶきようなだけなのかもしれない。) ただ、不器用なだけなのかもしれない。 (よくあさ。) 翌朝。 (わたしはかみやくんのせきにかさをおいた。) 私は神谷くんの席に傘を置いた。 (「きのう、ありがとう。」) 「昨日、ありがとう。」 (かれはすこしおどろいたかおをした。) 彼は少し驚いた顔をした。 (「......べつに。」) 「......別に。」 (「でも、かぜひいたらどうするの?」) 「でも、風邪ひいたらどうするの?」 (「ひかなかった。」) 「ひかなかった。」 (「そう。」) 「そう。」 (かいわは、それだけ。) 会話は、それだけ。 (なのに。) なのに。 (きのうまでなんともおもっていなかったそのよこがおが、すこしだけきになる。) 昨日まで何とも思っていなかったその横顔が、少しだけ気になる。 (そしてわたしはまだしらなかった。) そして私はまだ知らなかった。 (このちいさな「ありがとう」が、わたしたちのきょりをかえていくはじまりになることを。) この小さな「ありがとう」が、私たちの距離を変えていく始まりになることを。
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