サボテン

(どこにいくの？こんなあめのなか)

何処に行くの? こんな雨の中

(どんなことばまってるの？)

どんな言葉待ってるの?

(いまのぼくじゃおいかけられない)

今の僕じゃ 追いかけられない

(めをみつめるじしんがなくて)

瞳を見つめる　自信がなくて

(よびあうようにであったのに)

呼びあうように　出逢ったのに

(あめのにおいつめたいかぜふきげんなくも)

雨のにおい 冷たい風 不機嫌な雲

(まどぎわのちいさなさぼてん)

窓際の小さなサボテン

(こんなひにでも)

こんな日にでも

(きみときたらみずをあげてる)

君ときたら水をあげてる

(あふれるくらいみずをあげてる)

溢れるくらい　水をあげてる

(こいびとというひびきにすべてゆだねて)

恋人という響きに すべて委ねて

(かえりみることもなくて)

顧ることもなくて

(きみがそばにいてくれることも)

君が側にいてくれることも

(おしみないあいにも)

惜しみない愛にも

(なれていたんだね)

慣れていたんだね

(どこにゆくの？こんなあめのなか)

何処に行くの? こんな雨の中

(どんなことばまってるの？)

どんな言葉待ってるの?

(こころふかくぬれてしまうだろ)

心深く濡れてしまうだろ

(まどをあけてそらをあおいだ)

窓を開けて空を仰いだ

(よびあうようにであったのに)

呼びあうように　出逢ったのに

(あめのおとはとぎれずきこえている)

雨の音は途切れず 聞こえている

(しらんかおでだまったさぼてん)

知らん顔で黙った　サボテン

(ぼくのことをざぁざぁとじゃまをしてる)

僕の事をザァザァと 邪魔をしてる

(きみのいばしょかきけして)

君の居場所　かき消して

(あいたいからって)

会いたいからって

(こうじつにさそったえいがを)

口実に誘った映画を

(はしゃいでいたひびを)

はしゃいでいた日々を

(どうしてわすれていたんだろ)

どうして　忘れていたんだろ

(なれあいのかんけいに)

馴れあいの関係に

(うんざりするはずさ)

ウンザリするはずさ

(ぼくがふれたゆびさきにそっと)

僕が触れた指先にそっと

(やわらかいとげがささる)

やわらかいトゲが刺さる

(きみがみせたささやかなさいん)

君が見せた　ささやかなサイン

(みおとしてしまっていたよ)

見落としてしまっていたよ

(いまごろいたい)

今ごろ…痛い

(どこにいるの？こんなあめのなか)

何処に居るの? こんな雨の中

(ぼくのきもちみつかった)

僕の気持ち見つかった

(ぼくらきっとうまくやれるはず)

僕らきっと うまくやれるはず

(ほら、うすびもさしてきた)

ほら、薄日も射してきた

(ちいさなはなをさかそう)

小さな花を咲かそう