春ひさぎ

(だいじょうぶだよだいじょうぶ)

大丈夫だよ大丈夫

(ねてればなんとかなるし)

寝てれば何とかなるし

(どうしたんだいそんなかおしてさぁ)

どうしたんだいそんな顔してさぁ

(べつにどうともないよ)

別にどうともないよ

(えきまえであいをまちぼうけ)

駅前で愛を待ち惚け

(ほかにすることもないし)

他にすることもないし

(ふせいじつのかちもおしえてほしいわ)

不誠実の価値も教えてほしいわ

(ことなかれあいなどわすれておくんなまし)

言勿れ　愛など忘れておくんなまし

(くるしいことだってなんでもおしえておくれ)

苦しい事だって何でも教えておくれ

(さようなかげろうのひとつがいいならわすれたほうがまし)

左様な蜻蛉の一つが善いなら忘れたほうが増し

(せんのないことばかりきいてられないわ)

詮の無いことばかり聞いてられないわ

(いいたくないわ)

言いたくないわ

(だいじょうぶどれだけはいても)

大丈夫どれだけ吐いても

(ことばはいいたりないし)

言葉は言い足りないし

(どうしたんだいあんたにわかるかい)

どうしたんだいあんたにわかるかい

(このうれいが)

この憂いが

(げんかんであいをまちぼうけ)

玄関で愛を待ち惚け

(ささやくこえであえいで)

囁く声であえいで

(こうかいのかいをおしえてほしいわ)

後悔の悔を教えてほしいわ

(かげろうやきょうなどどうかわすれておくんなまし)

陽炎や　今日などどうか忘れておくんなまし

(かなしいことなしのあいだけうたっておくれ)

悲しい事なしの愛だけ歌っておくれ

(しまいはくちづけひとつがいいのもいわないほうがまし)

終いは口付け一つが善いのも言わない方が増し

(せんのないことでもわすれられないわ)

詮の無いことでも忘れられないわ

(しりたくないわ)

知りたくないわ

(かげろうやきょうなどいつかわすれてしまうのでしょう？くるしいの)

陽炎や　今日などいつか忘れてしまうのでしょう？苦しいの

(さようなためらいのひとつがあいならしらないほうがまし)

左様な躊躇いの一つが愛なら知らないほうが増し

(せんのないことだってきかせてもっと)

詮の無い事だって聞かせてもっと