ザルバラ

(かなしみやあせりがぼくのみみをつらぬいていく)

悲しみや焦りが僕の耳を貫いていく

(きこえないふりなんてとてもいまはできないけど)

聞こえないふりなんてとても今はできないけど

(きょうらくてきなこころにいまはからだをあずけて)

享楽的な心に今は体を預けて

(くりかえしなぞったじかんをいとしくながめている)

繰り返しなぞった時間を愛しく眺めている

(こうかいはむようだってあたまからだがさけんでいる)

後悔は無用だって　頭体が叫んでいる

(もうしょうたいはむぼうだってきづくまえにのがれたいの)

もう正体は無貌だって　気付く前に逃れたいの

(こんやどこにいたってぜんぶむだなんでいやなことぜんぶはぎとって)

今夜どこに居たって全部無駄なんで嫌なこと全部剥ぎ取って

(ふりまわしてくるしもうぜ)

振り回して苦しもうぜ

(さらばにがくてかんびできらくでなんにもなかったまいにちよ)

さらば苦くて甘美で気楽でなんにもなかった毎日よ

(すべてがもうおもうままだ)

全てがもう思うままだ

(あ)

あ

(ついらくからいまをときはなって)

墜落から今を解き放って

(ぼくらかけひきからぬけだして)

僕ら駆け引きから抜け出して

(ずっとまえゆびをからめあった)

ずっと前指を絡めあった

(ゆめかほんとうかわからないけど)

夢か本当かわからないけど

(かーてんがおりなくてとまどうふりしてわらっている)

カーテンが降りなくて　戸惑うふりして笑っている

(もうしょうたいはきぼうだってだまされたいらげてしまう)

もう正体は希望だって　騙され平らげてしまう

(こんやなにをしたってたえがたいなってなきながらちをながした)

今夜何をしたって耐え難いなって泣きながら血を流した

(ゆびさきにはあまいかおり)

指先には甘い香り

(すべてこぼしてしまわぬようにすいついてむさぼりあった)

全てこぼしてしまわぬ様に吸い付いて貪り合った

(それだけこそくさびなんだ)

それだけこそ楔なんだ

(もうそらにおちてしまわぬように)

もう空に落ちてしまわぬように

(しばってなでてかいごろして)

縛って撫でて飼い殺して

(こんやどこにいたってぜんぶむだなんでいやなことぜんぶはぎとって)

今夜どこに居たって全部無駄なんで嫌なこと全部剥ぎ取って

(ふりまわしてくるしもうぜ)

振り回して苦しもうぜ

(さらばにがくてかんびできらくでなんにもなかったまいにちよ)

さらば苦くて甘美で気楽でなんにもなかった毎日よ

(すべてがもうおもうままだ)

全てがもう思うままだ

(あ)

あ