月が降ってくる

(せんこうとしょうげき)

閃光と衝撃

(こだいじんるいがえがいたたぺすとりー)

古代人類が描いたタペストリー

(ねじのたりぬわくせいかんいどうそうちは)

螺子の足りぬ惑星間移動装置は

(すなにしずんでいる)

砂に沈んでいる

(めーでーとばしてえいせい)

メーデー飛ばして衛星

(つたうのてれぱしー)

伝うのテレパシー

(よげんによれば、ぼくらにはもう)

予言によれば、僕らにはもう

(あすはないらしい)

明日は無いらしい

(いどうしきとうせききのじなり)

移動式投石機の地鳴り

(てっせんのこすれるはじょうけい)

鉄線の擦れる波状形

(あさもよるもなくなったおかで)

朝も夜もなくなった丘で

(ふたりしずかをゆらしている)

二人静を揺らしている

(とりためたふぃるむてーぷのなかみ)

撮り貯めたフィルムテープの中身

(しがいちではこきゅうもできない)

市街地では呼吸もできない

(つきのうらがわがみえる)

月の裏側が見える

(ごうごうとたちのぼるすもっぐとしんきろう)

ゴウゴウと上騰るスモッグと蜃気楼

(さがんのもんはいしつのはて)

砂岩の門は遺失の果て

(そらしただんどうそのせんじょう)

逸らした弾道　その線上

(くじらぐものこいぎょえい)

クジラ雲の濃い魚影

(ふとうめいでにごしたなみのないこのすいめん)

不透明で濁した波の無いこの水面

(こうごうしくうつるつきのひかりを)

神々しく映る　月の光を

(あさいゆめつかいすてのほしを)

浅い夢　使い捨ての星を

(いまとおくなっていくあのほしを)

今遠くなって行く　あの星を

(そうしてまたぼくはいのちのさいごになった)

そうして　また僕は　生命の最後になった

(かいていをおおうかーてんさかなのむれ)

海底を覆うカーテン　魚の群れ

(かくなにいろでもないぷりずむ)

描く何色でも無いプリズム

(さくいのないせいめいのゆらぎが)

作為のない生命の揺らぎが

(うつくしかった)

美しかった

(きたいはもうせいぎょふのう)

機体はもう制御不能

(みかいたくのちずのさすこどう)

未開拓の地図の指す鼓動

(はくしのほしになまえをつけた)

白紙の星に名前をつけた

(とくべつがとくべつであるように)

特別が特別であるように

(じかいをまつべーだーくろーん)

自壊を待つベーダー・クローン

(よがあけるころにはきっともう)

夜が明ける頃にはきっともう

(いぎももくてきもなもなくなってる)

意義も目的も名も失くなってる

(つくりかえたいならそれはぼくたちのこえで)

創り変えたいなら　それは僕たちの声で