バスカヴィル家の犬5

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プレイ回数2617難易度(4.2) 6005打 長文 かな 長文モード可
シャーロックホームズシリーズ
アーサーコナンドイルの作品です。句読点以外の記号は省いています。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ぺす 7469 7.8 95.5% 750.8 5884 276 84 2024/02/17
2 いも 5981 A+ 6.0 98.6% 982.8 5961 82 84 2024/03/07
3 肩甲骨刃牙刃牙 5463 B++ 5.7 95.2% 1040.6 5981 296 84 2024/01/28

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問題文

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(このじけんのじじつかんけいにこみいったてんはない。ばりもあのしょうげんによると、)

「この事件の事実関係に込み入った点はない。バリモアの証言によると、

(さーちゃーるずばすかヴぃるはまいばんしんしつにいくまえに、ばすかヴぃるかんの)

サー・チャールズ・バスカヴィルは毎晩寝室に行く前に、バスカヴィル館の

(ゆうめいないちいなみきをさんぽするしゅうかんになっていた。ごがつよっか、さーちゃーるずは)

有名なイチイ並木を散歩する習慣になっていた。五月四日、サー・チャールズは

(つぎのひ、ろんどんにしゅっぱつするといういこうをつたえ、ばりもあににもつを)

次の日、ロンドンに出発するという意向を伝え、バリモアに荷物を

(よういするようにしじしていた。そのよる、かれはいつものようによるのさんぽに)

用意するように指示していた。その夜、彼はいつものように夜の散歩に

(でかけた。さんぽのとちゅうではまきをすうしゅうかんになっていた。かれはもどらなかった。)

出かけた。散歩の途中で葉巻を吸う習慣になっていた。彼は戻らなかった。

(じゅうにじになって、まだげんかんのとびらがあいているのにきづいたばりもあは)

十二時になって、まだ玄関の扉が開いているのに気づいたバリモアは

(しんぱいになり、らんたんにあかりをいれてしゅじんをさがしにでかけた。このひはあめあがりで)

心配になり、ランタンに灯を入れて主人を探しに出かけた。この日は雨あがりで

(さーちゃーるずのあしあとはいちいのこみちまでくっきりとのこっていた。このこみちを)

サー・チャールズの足跡はイチイの小道までくっきりと残っていた。この小道を

(はんぶんほどあるくと、こうやへでていくもんがあった。さーちゃーるずはすこしのあいだ)

半分ほど歩くと、荒野へ出て行く門があった。サー・チャールズは少しの間

(ここにたっていたこんせきがあった。さーちゃーるずはそのあと、こみちをすすみ、)

ここに立っていた痕跡があった。サー・チャールズはその後、小道を進み、

(したいがはっけんされたのは、みちのつきあたりだった。ばりもあのきょうじゅつのなかでせつめいが)

死体が発見されたのは、道の突き当りだった。バリモアの供述の中で説明が

(つかないてんのひとつは、こうやにつづくもんをすぎたときから、しゅじんのあしあとがつまさきだって)

つかない点の一つは、荒野に続く門を過ぎた時から、主人の足跡が爪先立って

(あるいたようにかわっていたてんだ。まーふぃーというじぷしーのうましょうにんが、そのとき)

歩いたように変わっていた点だ。マーフィーというジプシーの馬商人が、その時

(こうやのひじょうにはなれたばしょにいた。しかしこのおとこは、じぶんでもみとめているように、)

荒野の非常に離れた場所にいた。しかしこの男は、自分でも認めているように、

(ひどくよっぱらっていた。まーふぃーはさけびごえをきいたときょうじゅつしたが、)

ひどく酔っぱらっていた。マーフィーは叫び声を聞いたと供述したが、

(どのほうこうからきこえてきたかは、はっきりしょうげんできなかった。)

どの方向から聞こえてきたかは、はっきり証言できなかった。

(さーちゃーるずのからだに、ぼうこうをうけたこんせきははっけんされなかった。しかしいしゃの)

サー・チャールズの体に、暴行を受けた痕跡は発見されなかった。しかし医者の

(しょうげんによると、しんじられないほどかおがゆがんでいたということである。)

証言によると、信じられないほど顔がゆがんでいたということである。

(そのゆがみがあまりにもすさまじかったため、もーてぃまーいしはめのまえに)

そのゆがみがあまりにもすさまじかったため、モーティマー医師は目の前に

など

(よこたわっているのが、ほんとうにかれがしたしくしているかんじゃとはしんじられなかったと)

横たわっているのが、本当に彼が親しくしている患者とは信じられなかったと

(きょうじゅつしている。このひょうじょうのへんかは、こきゅうこんなんやしんぞうしっかんのばあいには)

供述している。この表情の変化は、呼吸困難や心臓疾患の場合には

(よくあるじれいだとせつめいされている。けんしのけっか、このせつめいをうらづけるまんせいの)

よくある事例だと説明されている。検死の結果、この説明を裏付ける慢性の

(きしつしっかんがみとめられた。そしてけんしばいしんいんはこのいがくてきしょうこにしたがったひょうけつを)

器質疾患が認められた。そして検死陪審員はこの医学的証拠に従った評決を

(くだした。しぜんしがかくていしたのはこのましいじたいである。なぜなら、)

下した。自然死が確定したのは好ましい事態である。なぜなら、

(さーちゃーるずのこうけいしゃがやかたにきょじゅうし、こんなにもかなしくちゅうだんされた)

サー・チャールズの後継者が館に居住し、こんなにも悲しく中断された

(じぜんこういをけいぞくしていくことが、とうめんのさいじゅうようかだいだからである。けんしかんが)

慈善行為を継続していくことが、当面の最重要課題だからである。検死官が

(ごくふつうのしいんをにんていすることによって、もしこのじけんにかんけいしてるふしていた)

ごく普通の死因を認定することによって、もしこの事件に関係して流布していた

(くうそうてきなはなしがほうむりさられていなければ、ばすかヴぃるかんにはひとがよりつかない)

空想的な話が葬り去られていなければ、バスカヴィル館には人が寄り付かない

(かのうせいがあった。さいきんしんしゃは、ぞんめいであれば、さーちゃーるずばすかヴぃる)

可能性があった。最近親者は、存命であれば、サー・チャールズ・バスカヴィル

(のおいにあたるへんりーばすかヴぃるしとはんめいしている。このせいねんのしょうそくが)

の甥にあたるヘンリー・バスカヴィル氏と判明している。この青年の消息が

(さいごにきかれたのはあめりかで、きょがくのいさんそうぞくをしらせるため、げんざい)

最後に聞かれたのはアメリカで、巨額の遺産相続を知らせるため、現在

(そうさくちゅうである。もーてぃまーいしはもういちどしんぶんをたたみぽけっとにもどした。)

捜索中である。モーティマー医師はもう一度新聞をたたみポケットに戻した。

(これがさーちゃーるずばすかヴぃるのしにかんしてこうひょうされている)

「これがサー・チャールズ・バスカヴィルの死に関して公表されている

(じじつです、ほーむずさん このじけんをおもいださせていただいたことを、あなたに)

事実です、ホームズさん」「この事件を思い出させていただいた事を、あなたに

(かんしゃしなければなりませんね しゃーろっくほーむずはいった。このじけんには)

感謝しなければなりませんね」シャーロックホームズは言った。「この事件には

(まちがいなくきょうみぶかいとくちょうがあります。ぼくもじけんはっせいとうじ、なんしかのしんぶんきじを)

間違いなく興味深い特徴があります。僕も事件発生当時、何紙かの新聞記事を

(よみました。しかしぼくは、ろーまほうおうのねがいをなんとしてもかなえようと、)

読みました。しかし僕は、ローマ法王の願いを何としてもかなえようと、

(ばちかんのかめおにかんするちょっとしたじけんにぼっとうしていましたので、)

バチカンのカメオに関するちょっとした事件に没頭していましたので、

(おもしろいいぎりすのじけんをいくつかみのがしてしまいました。このきじにはこうひょうされた)

面白いイギリスの事件を幾つか見逃してしまいました。この記事には公表された

(じじつがすべてのっているとおっしゃいましたね?そのとおりです それでは)

事実がすべて載っているとおっしゃいましたね?」「その通りです」「それでは

(こうひょうされていないじじつをおしえてください かれはゆびさきをあわせ、さいていを)

公表されていない事実を教えてください」彼は指先を合わせ、裁定を

(くだすかのようなちょうねんとしたひょうじょうでいすにもたれかかった。それでは)

下すかのような超然とした表情で椅子にもたれかかった。「それでは」

(もーてぃまーいしはいった。かれははげしくどうようしはじめたようにみえた。だれにも)

モーティマー医師は言った。彼は激しく動揺しはじめたように見えた。「誰にも

(いわなかったことをおはなししましょう。けんしかんのじんもんでこれをいわなかったのは、)

言わなかった事をお話ししましょう。検死官の尋問でこれを言わなかったのは、

(かがくをしんぽうするにんげんとして、こうてきなばでくだらないめいしんをしじするようなたちばを)

科学を信奉する人間として、公的な場で下らない迷信を支持するような立場を

(とりたくなかったからです。べつのどうきもありました。しんぶんにかいてあったように)

取りたくなかったからです。別の動機もありました。新聞に書いてあったように

(すでにひろまっているぶきみなうわさにわをかけるようなことをすれば、)

既に広まっている不気味な噂に輪をかけるようなことをすれば、

(ばすかヴぃるかんにはほんとうにだれもすまなくなりかねなかったのです。このふたつの)

バスカヴィル館には本当に誰もすまなくなりかねなかったのです。この二つの

(りゆうで、じつむてきにひつようでないかぎりは、しっていることをあらいざらいはなさなくても)

理由で、実務的に必要でない限りは、知っていることを洗いざらい話さなくても

(ゆるされるとかんがえました。しかしほーむずさんにはなにもかくしだてするべきでは)

許されると考えました。しかしホームズさんには何も隠し立てするべきでは

(ありません こうやはひじょうにかそのちいきですので、ちかくのじゅうみんどうしは、)

ありません」「荒野は非常に過疎の地域ですので、近くの住民同士は、

(すぐこうりゅうするようになります。こうしたりゆうで、わたしは)

すぐ交流するようになります。こうした理由で、私は

(さーちゃーるずばすかヴぃるとよくあうことになりました。)

サー・チャールズ・バスカヴィルとよく会う事になりました。

(らふたーほーるのふらんくらんどしとはくぶつがくしゃのすていぷるとんしのふたりを)

ラフター・ホールのフランクランド氏と博物学者のステイプルトン氏の二人を

(のぞけば、このちほうにはきょういくをうけたものがおりません。さーちゃーるずはうちきな)

除けば、この地方には教育を受けた者がおりません。サー・チャールズは内気な

(ひとでしたが、びょうきがきっかけでゆうじんになりました。さーちゃーるずは)

人でしたが、病気がきっかけで友人になりました。サー・チャールズは

(みなみあふりかでしったかがくてきじょうほうをいろいろとはなしましたので、ぶっしゅまんと)

南アフリカで知った科学的情報を色々と話しましたので、ブッシュマンと

(ほってんとっとのひかくかいぼうがくをぎろんしながら、なんどとなく、すばらしいゆうべを)

ホッテントットの比較解剖学を議論しながら、何度となく、素晴らしい夕べを

(いっしょにすごしたものです さいごのすうかげつ、わたしはすこしずつさーちゃーるずの)

一緒に過ごしたものです」「最後の数ヶ月、私は少しずつサー・チャールズの

(しんけいがきょくげんまではりつめていることがわかってきました。かれはわたしがさきほど)

神経が極限まで張り詰めている事が分かってきました。彼は私がさきほど

(おはなししたでんせつをひじょうにしんけんにとらえていましたので、しきちないはさんぽしても、)

お話しした伝説を非常に真剣にとらえていましたので、敷地内は散歩しても、

(けっしてひがくれてからこうやにでかけようとはしませんでした。あなたにとっては)

決して日が暮れてから荒野に出かけようとはしませんでした。あなたにとっては

(しんじられないことかもしれませんが、ほーむずさん、かれはほんとうにおそろしいうんめいが)

信じられない事かもしれませんが、ホームズさん、彼は本当に恐ろしい運命が

(じぶんのかけいをおおっているとしんじていました。なんだいものそせんのぎせいでのろいが)

自分の家系を覆っていると信じていました。何代もの祖先の犠牲で呪いが

(とけたとあんしんすることもできないようでした。かれはなにかおそろしいものがしゅつげんする)

とけたと安心することもできないようでした。彼は何か恐ろしいものが出現する

(のではないかというきょうはくかんねんにとりつかれていました。かれはなんどもわたしにこう)

のではないかという強迫観念にとりつかれていました。彼は何度も私にこう

(たずねました。よるのおうしんをしたさい、なにかきみょうないきものをみたり、いぬがほえるのを)

尋ねました。夜の往診をした際、何か奇妙な生き物を見たり、犬が吠えるのを

(きかなかったかと。かれがこのしつもんをするときは、いつもおびえてこえがふるえて)

聞かなかったかと。彼がこの質問をするときは、いつもおびえて声が震えて

(いました わすれられないできごとがあったのは、なくなるやくさんしゅうかんまえの)

いました」「忘れられない出来事があったのは、亡くなる約三週間前の

(ゆうがたです。さーちゃーるずのやかたまでばしゃでいくと、かれはたまたまげんかんさきに)

夕方です。サー・チャールズの館まで馬車で行くと、彼はたまたま玄関先に

(いました。ばしゃをおりてちかくにいったとき、さーちゃーるずがおそろしいぎょうそうで)

いました。馬車を降りて近くに行ったとき、サー・チャールズが恐ろしい形相で

(わたしのかたごしにうしろをみつめているのにきづきました。わたしはさっと)

私の肩越しに後ろを見つめているのに気づきました。私はさっと

(ふりかえりましたが、そのしゅんかん、なにかがちらりとめにうつりました。それはくろい)

振り返りましたが、その瞬間、何かがちらりと目に映りました。それは黒い

(おおきなこうしがばしゃみちのいりぐちのあたりをよこぎったようにみえました。かれはかんぜんに)

大きな子牛が馬車道の入り口のあたりを横切ったように見えました。彼は完全に

(おびえきってこうふんしており、それをなだめるには、そのどうぶつがみえたところまで)

おびえきって興奮しており、それをなだめるには、その動物が見えたところまで

(いって、あたりをしらべてみるしかありませんでした。しかし、ちらりと)

行って、あたりを調べてみるしかありませんでした。しかし、ちらりと

(みえたものはかげもかたちもなかったのです。それなのに、このできごとでかれはかんぜんに)

見えたものは影も形もなかったのです。それなのに、この出来事で彼は完全に

(ふるえあがっているようでした。そのよるおそくまでわたしはかれにつきそいました。そして)

震え上がっているようでした。その夜遅くまで私は彼に付き添いました。そして

(このとき、かれはじぶんがなぜあれほどどうようしたかをせつめいするために、さいしょにわたしが)

このとき、彼は自分がなぜあれほど動揺したかを説明するために、最初に私が

(よみあげたでんせつのこもんじょをてわたしたのです。こんなちいさなできごとまでわざわざ)

読み上げた伝説の古文書を手渡したのです。こんなちいさな出来事までわざわざ

(おはなしするのは、そのあとのさんげきとてらしあわせると、じゅうようだったきが)

お話しするのは、その後の惨劇と照らし合わせると、重要だった気が

(するからです。しかし、とうじは、これはほんとうにささいなじけんで、)

するからです。しかし、当時は、これは本当にささいな事件で、

(さーちゃーるずのおびえにはなにのこんきょもないとかくしんしていました)

サー・チャールズのおびえには何の根拠もないと確信していました」

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