たとえたとえ

(たとえたとえはりさけるほどのこえがかぜにながれても)

たとえたとえ　張り裂けるほどの声が風に流れても

(いつかここからきみにとどけとなんどでもえーるを)

いつかここから君に届けと　何度でもエールを

(らくなことばかりえらんでうまくやれてたひびは)

楽なことばかり選んで　上手くやれてた日々は

(ひとめにつかずにあたためたいすでぼんやりゆめをみた)

人目につかずにあたためた椅子でぼんやり夢を見た

(きみのひとしれないひびはわたしのそれとはちがって)

君の人知れない日々は私のそれとは違って

(くすぶりやどしたそぶりがこころのかげをかるくかすめた)

くすぶり宿した素振りが　心の陰をかるく掠めた

(たとえたとえはりさけるほどのこえがかぜにながれても)

たとえたとえ張り裂けるほどの声が風に流れても

(いつかここからきみにとどけといまをさけぶよ)

いつかここから君に届けと今を叫ぶよ

(ふわりみちにまよえるわたげのようにそのみをまかせて)

ふわり道に迷える綿毛のようにその身を任せて

(わずかだけでもきみにとどけとさいごまでえーるを)

僅かだけでも君に届と　最後までエールを

(つらいことぜんぶなげだしてゆびさきをはなれても)

辛いこと全部投げ出して指先を離れても

(きみをみかけるときみがしらぬまにうちかえされてた)

君を見かけると　君が知らぬ間に打ち返されてた

(おどるひとひらのたよりがむねのぽけっとにしずんだ)

踊るひとひらの便りが　胸のポケットに沈んだ

(ちりゆくときはうつくしくこころをとらえて)

散りゆくときは美しく　心を捉えて

(きみならばかなうよとおもいきりいいきりたいけど)

君ならば叶うよと　思い切り言い切りたいげど

(きみならばあたうかぎりやりのけるはずだから)

君ならばあたう限り　やりのける筈だから

(これはたとえばのはなしふたりきりできみとあって)

これは例えばの話　二人きりで君と会って

(わたしからいえることは「ありがとう」だけだ)

私から言えることは「ありがとう」だけだ

(なのにはなれたばしょでながめていると「ふぁいと」ってこぼれた)

なのに　離れた場所で眺めていると「ファイト」って溢れた

(わずかだけでもきみにとどけとつよくこぼすよ)

僅かだけでも君に届けと　強く溢すよ

(まるでまるでじぶんのことのようであって)

まるでまるで　自分のことのようであって

(じぶんいじょうのことだな)

自分以上のことだな

(そんなきみにもらえたきもちをきみにむけるよ)

そんな君に貰えた気持ちを君に向けるよ

(たとえたとえはりさけるほどのこえがかぜにけされても)

たとえたとえ　張り裂けるほどの声が風に消されても

(どれもこれもがとどいていなくてもほんもののえーるを)

どれもこれもが届いていなくても　本物のエールを

(こころからえーるを)

心からエールを