まっさら

(しろいことがむくなら)

白いことが無垢なら

(すすけたわたしはおでいか)

煤けた私は汚泥か

(くろいことがあくなら)

黒いことが悪なら

(こげつくわたしはざいにんか)

焦げ付く私は罪人か

(いろづくことがせいなら)

色付くことが生なら

(むしょくのわたしはこくうのちりか)

無色の私は虚空の塵か

(きょむかきょぞうかいずれにせよ)

虚無か　虚像か　何れにせよ

(いっすんさきはやみ)

一寸先は闇

(むかいあうことで)

向かい合うことで

(わらいあえるなら)

笑い合えるなら

(みつめあうことで)

見つめ合うことで

(みとめあえるなら)

認め合えるなら

(まっさらないのちで)

まっさらな命で

(うまれたらよかったのに)

生まれたら良かったのに

(まっさらないのちで)

まっさらな命で

(いきていたかったのに)

生きていたかったのに

(まっくろのせかいで)

まっ黒の世界で

(まっかにもえるひをみて)

真っ赤に燃える陽を見て

(まったくりふじんな)

全く理不尽な

(いのちがきょうもつづいてく)

命が今日も続いてく

(すなおなことがぜんなら)

素直なことが善なら

(ねじれたわたしはあくまのつのか)

捻れた私は悪魔の角か

(こせいかりせいかいずれにせよ)

個性か　理性か　何れにせよ

(しゅうあくにちがいない)

醜悪に違いない

(わらいがおのままでなくことも)

笑い顔のままで泣くことも

(なきがおのままでわらうことも)

泣き顔のままで笑うことも

(できないできない)

できない　できない

(なんにもできないまま)

何にもできないまま

(ひびはむいにすぎていく)

日々は無為に過ぎて行く

(くもりぞらのほしいどのそこのむし)

曇り空の星　井戸の底の虫

(かざられなかったふうけいが)

飾られなかった風景画

(こわれたとけいさめたこうちゃ)

壊れた時計　冷めた紅茶

(それでもそこにあるもの)

それでもそこにあるもの

(むくなままここにあるもの)

無垢なままここにあるもの

(まいごのままだって)

迷子のままだって

(あるけばよかったのに)

歩けば良かったのに

(まいごのままだって)

迷子のままだって

(なにかみつけられたのに)

何か見つけられたのに

(まっさらないのちで)

まっさらな命で

(うまれたらよかったのに)

生まれたら良かったのに

(まっさらないのちで)

まっさらな命で

(いきていたかったのに)

生きていたかったのに

(まっくろのせかいで)

まっ黒の世界で

(まっかにもえるひをみて)

真っ赤に燃える陽を見て

(まったくりふじんなそれでも)

全く理不尽な　それでも

(こうかいばかりでもかまわない)

後悔ばかりでも構わない

(わたしはあなたは)

私は　貴方は

(わたしたちはきょうもいきていく)

私たちは今日も生きて行く

(まっさらないのちで)

まっさらな命で

(きょうもいきていく)

今日も生きて行く