CURE④(終)

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プレイ回数584難易度(5.0) 2420打 長文
不可解な連続殺人事件を操作する刑事、高部と、事件の道筋に関わる謎の男間宮と事件との関わりを描いたサスペンス作品。 凄惨な事故現場と殺害動機が全く不明な、不可解な事件とその関係者たち。静かな狂気が登場人物を一人また一人と手招き、闇へと落としていく。そして最後は作品の鑑賞者を包み込む。

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問題文

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(いよいよさいみんじゅつによるさつじんのはんこうがたしかなものに)

いよいよ催眠術による殺人の犯行が確かなものに

(なろうとしているそのなかで、そうさにねっしんなたかべの)

なろうとしているその中で、捜査に熱心な高部の

(せいしんにもすこしずつげんかいがおとずれようとしていました。)

精神にも少しずつ限界が訪れようとしていました。

(ひろう、しんろうのせいかまたはほかにげんいんがあるのかげんかくを)

疲労、心労のせいかまたは他に原因があるのか幻覚を

(みるようになっていました。げんかくはかれのつま、ふみえの)

見るようになっていました。幻覚は彼の妻、文江の

(もので、こころをこわすまえのしあわせなくらしの1こまから)

もので、心を壊す前の幸せな暮らしの1コマから

(じたくのてんじょうからろーぷをたらしくびをつっているせいさんな)

自宅の天井からロープを垂らし首を吊っている凄惨な

(ものまでおよびました。しかしかれはそのことをさくま)

ものまで及びました。しかし彼はそのことを佐久間

(にははなしませんでした。さくまはまみやのとりしらべで、)

には話しませんでした。佐久間は間宮の取り調べで、

(かれのきけんせいをつよくかんじていました。たかべにこれいじょう)

彼の危険性を強く感じていました。高部にこれ以上

(まみやにかかわりつづけていたら、せいしんにあくえいきょうがしょうじる)

間宮に関わり続けていたら、精神に悪影響が生じる

(とかんがえ、かれにいわずまみやをせいしんびょうとしてびょういんにいそう)

と考え、彼に言わず間宮を精神病として病院に移送

(してしまいました。それをしったたかべはおこり、)

してしまいました。それを知った高部は怒り、

(さくまになぜそんなことをしたんだとといかけました。)

佐久間になぜそんなことをしたんだと問いかけました。

(さくまはけいじであるまえにたいせつなゆうじんであるたかべに、)

佐久間は刑事である前に大切な友人である高部に、

(まみやのきけんせいとそれにせっしつづけることへのりすくを)

間宮の危険性とそれに接し続けることへのリスクを

(はなしせいいっぱいのけいこくをしましたがたかべはそれをききいれ)

話し精一杯の警告をしましたが高部はそれを聞き入れ

(ませんでした。つまのふみえはたかべにびょういんでくらすことを)

ませんでした。妻の文江は高部に病院で暮らすことを

(つたえられましたが、りかいすることができずおきなわに)

伝えられましたが、理解することができず沖縄に

(いくつもりになっています。たかべのこころのよりどころは、)

行くつもりになっています。高部の心の拠り所は、

など

(もはやどこにもないようでした。たかべにけいこくをした)

もはやどこにも無いようでした。高部に警告をした

(さくまにも、まみやのまのてがじかんさでのびていました。)

佐久間にも、間宮の魔の手が時間差で伸びていました。

(そのどくがにかかったさくまは、むざんなすがたでいたいと)

その毒牙にかかった佐久間は、無残な姿で遺体と

(なってはっけんされました。けんしのけっか、かれのしは)

なって発見されました。検視の結果、彼の死は

(じさつとだんてい。まみやによるはんこうをそうきさせるxじが)

自殺と断定。間宮による犯行を想起させるX字が

(げんばにはのこされていましたが、そこからまみやに)

現場には残されていましたが、そこから間宮に

(たどりつくものも、もはやたかべだけです。たかべは)

たどり着く者も、もはや高部だけです。高部は

(さくまのしもあり、はげしくせいしんじょうたいがゆらいで)

佐久間の死もあり、激しく精神状態が揺らいで

(しまっています。そのなかで、やはりまみやをおって)

しまっています。その中で、やはり間宮を追って

(しまいます。まみやをおい、たどりついたのはいっけんの)

しまいます。間宮を追い、たどり着いたのは一件の

(はいおく、はいびょういんでした。くちたいんないでかれはまだびょういんが)

廃屋、廃病院でした。朽ちた院内で彼はまだ病院が

(うんえいされていたころのかんごふやかんじゃのようすをむそうします。)

運営されていた頃の看護婦や患者の様子を夢想します。

(さまよいつづけると、あるへやでおとこのしゃしんをみつけました。)

彷徨い続けると、ある部屋で男の写真を見つけました。

(おとこは、にほんでさいみんりょうほうをおこなっていたいしのようです。)

男は、日本で催眠療法を行っていた医師のようです。

(そしてついに、まみやをみつけました。まみやはたかべに、)

そしてついに、間宮を見つけました。間宮は高部に、

(じぶんはそのおとこのいしをついでさいみんりょうほうをおこなうでんどうしで)

自分はその男の意思を継いで催眠療法を行う伝道師で

(あるとかたります。たかべはそのことばをりかいするひつようが)

あると語ります。高部はその言葉を理解する必要が

(ありませんでした。けんじゅうをてにとり、いっぱつ、またいっぱつ)

ありませんでした。拳銃を手に取り、一発、また一発

(とじゅうだんをかれのからだにうちこんでいきます。まみやはあらがう)

と銃弾を彼の身体に打ち込んでいきます。間宮は抗う

(ことなく、じゅうだんにたおれました。ちかくにはちくおんきがあり、)

ことなく、銃弾に倒れました。近くには蓄音機があり、

(たかべはおもむろにそれをさいせいした。するとおとこのこえながれ、)

高部はおもむろにそれを再生した。すると男の声流れ、

(そのこえはまるでさいみんじゅつをかけているようでした。)

その声はまるで催眠術をかけているようでした。

(はいびょういんをあとにしたたかべはいつもゆうはんをとるれすとらん)

廃病院を後にした高部はいつも夕飯を摂るレストラン

(へむかいます。こころなしかいままでよりひょうじょうがあかるくみえます。)

へ向かいます。心なしか今までより表情が明るく見えます。

(いつものうぇいとれすのようすもちがっているようにかんじます。)

いつものウェイトレスの様子も違っているように感じます。

(おとこのいしが、まみやをつうじてたかべへとけいしょうされたのかもしれません・・・)

男の意思が、間宮を通じて高部へと継承されたのかもしれません…

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