ウダーナヴァルガ 第1章 無常

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問題文

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(もろもろのつくられたじぶつはじつにむじょうであるしょうじほろびるせいしつのものである)

諸のつくられた事物は 実に無常である 生じ滅びる性質のものである

(それらはしょうじてはほろびるからである)

それらは生じては滅びるからである

(それらのしずまるのがあんらくである)

それらの静まるのが安楽である

(なんのよろこびがあろうかせけんはこのようにもえたっているのに)

なんの喜びがあろうか? 世間はこのように燃え立っているのに

(なんじらはあんこくにおちいっていてとうみょうをもとめようとはしない)

汝らは暗黒に陥っていて 燈明を求めようとはしない

(あちこちのほうがくになげすてられまきちらされたこのはといろのような)

あちこちの方角に投げ捨てられ まき散らされたこの鳩色のような

(しろいほねをみてはこのよになんのこころよさがあろうか)

白い骨を見ては この世に何の快さがあろうか?

(よるのさいしょのあいだぼたいにはいってすみつくひとは)

夜の最初のあいだ 母胎に入って住みつく人は

(やすらかにとどまることなくまよいのうちに)

安らかにとどまること無く 迷いのうちに

(さってもはやかえってこない)

去ってもはや還って来ない

(あさにはおおくのひとびとをみかけるがゆうべにはあるひとびとのすがたがみられない)

朝には多くの人々を見かけるが 夕べには或る人々の姿が見られない

(ゆうべにはおおくのひとびとをみかけるがあさにはあるひとびとのすがたがみられない)

夕べには多くの人々を見かけるが 朝には或る人々の姿が見られない

(わたしはわかいとおもっていてもしすべきはずのにんげんは)

「私は若い」と思っていても 死すべきはずの人間は

(だれがじぶんのいのちをあてにしてよいだろうか)

誰が自分の命を あてにしてよいだろうか?

(わかいひとびとでもしんでいくのだおとこでもおんなでもつぎからつぎへと)

若い人々でも死んでいくのだ 男でも女でも 次から次へと

(あるものどもはぼたいのなかでほろびてしまう)

或る者どもは 母胎の中で滅びてしまう

(あるものどもはさんぷのいえでしんでしまう)

或る者どもは 産婦の家で死んでしまう

(またあるものどもははいまわっているうちに)

また或るものどもは 這い回っているうちに

(あるものどもはかけまわっているうちにしんでしまう)

或る者どもは 駆け回っているうちに死んでしまう

(おいたひとびともわかいひとびともそのちゅうかんのひとびともじゅんじにさっていく)

老いた人々も 若い人々も その中間の人々も 順次に去っていく

など

(じゅくしたかじつがえだからおちていくように)

熟した果実が枝から落ちていくように

(じゅくしたかじつがいつもおちるおそれがあるように)

熟した果実がいつも落ちる恐れがあるように

(うまれたひとはいつでもしぬおそれがある)

生まれた人はいつでも死ぬおそれがある

(とうこうのつくったどきのようにひとのいのちもすべてはついにはこわれてしまう)

陶工の作った土器のように 人の命もすべてはついには壊れてしまう

(いとをあやつってひろげていかなるおりものをおりなそうとも)

糸を操って広げていかなる織物を織りなそうとも

(おるざいりょういとまきがのこりわずかになってしまうようにひとのいのちもどうようである)

織る材料(糸巻き)が残り僅かになってしまうように 人の命も同様である

(しけいしゅうがいっぽいっぽとあゆんでいってけいじょうにおもむくようにひとのいのちもどうようである)

死刑囚が一歩一歩と歩んで行って刑場におもむくように 人の命も同様である

(やまからはっするかわのみずがながれさってかえらないように)

山から発する川の水が 流れ去って還らないように

(にんげんのじゅみょうもすぎさってかえらない)

人間の寿命も過ぎ去って還らない

(こうろうでもささいなことでもくるしみとむすびついている)

功労でも些細なことでも苦しみと結びついている

(すいめんをえだでうってもすぐにあとがきえてしまう)

水面を枝で打っても直ぐに跡が消えてしまう

(うしかいがぼうをもってうしどもをかりたててぼくじょうにとうちゃくさせるように)

牛飼いが棒をもって 牛どもを駆り立てて牧場に到着させるように

(おいとしとはもろもろのやまいいをもってひとびとのじゅみょうをおわらせる)

老いと死とは 諸々の病いを持って人々の寿命を終わらせる

(ちゅうやはすぎゆきせいめいはそこなわれにんげんのじゅみょうはつきるおがわのみずのように)

昼夜は過ぎ行き生命はそこなわれ人間の寿命は尽きる 小川の水のように

(ただしいしんりをしらないおろかなものにとってはせいしのみちのりはながい)

正しい真理を知らない愚かな者にとっては生死の道のりは長い

(ねむれないひとにはよるはながくつかれたひとにはいちりのみちはとおい)

眠れない人には夜は長く 疲れた人には一里の道は遠い

(わたしにはこがいるわたしにはざいがあるとおもっておろかなものはなやむしかしすでに)

「私には子がいる、私には財がある」と思って愚かな者は悩む しかしすでに

(じぶんがじぶんのものではないましてどうしてこがじぶんのものであろうか)

自分が自分のものではない ましてどうして子が自分のものであろうか

(どうしてざいがじぶんのものであろうか)

どうして財が自分のものであろうか

(おとこもおんなもいくひゃくまんにんとかずおおくいるがざいさんをたくわえたあげくにはしのちからにくっぷくする)

男も女も幾百万人と数多くいるが 財産を貯えたあげくには 死の力に屈服する

(いくらざいさんをたくわえてもさいごにはつきてなくなってしまう)

いくら財産を貯えても最後には尽きてなくなってしまう

(たかいちいみぶんもついにはおちてしまう)

高い地位身分も終(つい)には落ちてしまう

(むすびついたものはついにははなれてしまう)

結びついたものは終(つい)には離れてしまう

(せいめいはついにはしにいたる)

生命は終(つい)には死に至る

(いきとしいけるものどもはしぬであろう)

生きとし生ける者どもは死ぬであろう

(せいめいはついにはしにいたる)

生命は終(つい)には死に至る

(かれらはつくったごうのいかんにしたがっておもむき)

彼らはつくった業の如何にしたがっておもむき

(それぞれぜんとあくのむくいをうけるであろう)

それぞれ善と悪の報いを受けるであろう

(わるいおこないをしたひとびとはじごくにおもむき)

悪い行いをした人々は地獄におもむき

(よいことをしたひとびとはよいところてんにうまれるであろう)

善いことをした人々は善いところ天に生まれるであろう

(しかしほかのひとびとはこのよでのみちをしゅうしてけがれをさりやすらぎにはいるであろう)

しかし他の人々はこの世での道を修して汚れを去り安らぎに入るであろう

(おおぞらのなかにいてもたいかいのなかにいてもやまのなかのおくふかいところにはいっても)

大空の中にいても 大海の中にいても 山の中の奥深い所に入っても

(およそせかいのどこにいてもしのきょういのないばしょはない)

およそ世界のどこにいても死の脅威のない場所は無い

(このよにおいてはかこにいたものどもでもみらいにあらわれるものどもでも)

この世においては過去にいた者どもでも 未来に現れる者どもでも

(いっさいのいきものはからだをすてていくであろう)

一切の生き者は身体を捨てて逝くであろう

(ちえあるひとはいっさいをすてさることをしって)

智ある人は一切を捨て去ることを知って

(しんりにあんじゅうしてきよらかなおこないをなすべきである)

真理に安住して清らかな行いを為すべきである

(このよでおいぼれたひとをみてまたやんだひとをみて)

この世で老いぼれた人を見て また病んだ人を見て

(またいしきさようのきえうせたしにんをみて)

また意識作用の消え失せた死人を見て

(しりょあるひとはいえのきずなをすてさった)

思慮ある人は家の絆を捨て去った

(せけんのひとびとにとってよくらくはじつにたちがたいものであるが)

世間の人々にとって欲楽は実に断ち難いものであるが

(いともうるわしきこくおうのくるまはくちてしまうからだもまたおいにちかづくしかし)

いとも麗しき国王の車は朽ちてしまう 身体もまた老いに近づく しかし

(よいりっぱなひとびとのとくはおいることがない)

善い立派な人々の徳は老いることがない

(よいりっぱなひとびとはたがいにことわりをとききかせる)

善い立派な人々は互いにことわりを説き聞かせる

(なんじいやしきおいよいまいましいやつだな)

汝、いやしき老いよ! いまいましい奴だな

(おまえはひとをみにくくするのだうるわしいすがたもおいによってふんさいされてしまう)

お前は人を醜くするのだ 麗しい姿も老いによって粉砕されてしまう

(たとえひゃくさいをいきたとしてもついにはしにきちゃくする)

たとえ百歳を生きたとしても終(つい)には死に帰着する

(おいかやまいかまたはしがこのひとにつきそってころしてしまう)

老いか、病か、または死がこの人に付き添って殺してしまう

(ひとびとはひるもよるもそこなわれつねにすぎさってかえらない)

人々は昼も夜もそこなわれ 常に過ぎ去って還らない

(さかながひあぶりにされているようにせいしのくるしみをうけている)

魚が火あぶりにされているように 生死の苦しみを受けている

(あゆんでいてもとどまっていてもひとのいのちはちゅうやにすぎさりとどまりはしない)

歩んでいても、とどまっていても人の命は昼夜に過ぎ去りとどまりはしない

(かわのすいりゅうのようなものである)

河の水流のようなものである

(ひとびとのいのちはちゅうやにすぎさりますますへっていく)

人々の命は昼夜に過ぎ去りますます減っていく

(みずのすくないところにいるさかなのようにかれらにとってなんのたのしみがあろうか)

水の少ない所にいる魚のように 彼らにとって何の楽しみがあろうか

(このようしょくはおとろえはててやまいのすであり)

この容色は衰え果てて 病の巣であり

(もろくもほろびるふはいのかたまりでやぶれてしまうであろう)

脆くも滅びる腐敗の塊でやぶれてしまうであろう

(せいめいはついにしにきちゃくする)

生命は終(つい)に死に帰着する

(ああこのみはまもなくちじょうによこたわるであろう)

ああこの身はまもなく地上に横たわるであろう

(いしきをうしないうつろでわらのようになげすてられて)

意識を失い 空ろで 藁のように投げ捨てられて

(このからだになんのようがあろうか)

この身体に何の用があろうか?

(いつもにおいけがれをもらしたえずやまいいにおそわれおいとしにおびえているのに)

いつも臭穢を漏らし たえず病いにおそわれ 老いと死に怯えているのに

(びょうきになやみもろいこのにおいけがれのからだをもってさいじょうのやすらぎむじょうのあんのんにおちつけよ)

病気に悩み 脆いこの臭穢の身体をもって最上の安らぎ無上の安穏に落ちつけよ

(わたしはうきにはここにすもうふゆとなつとにはここにすもうと)

「私は雨期にはここに住もう、冬と夏とにはここに住もう」と

(ぐしゃはこのようにくよくよとおもんばかってしがせまってくるのにきがつかない)

愚者はこのようにくよくよと慮って 死が迫って来るのに気が付かない

(こどもやかちくのことにきをうばわれてこころがそれにしゅうちゃくしているひとを)

子どもや家畜のことに気を奪われて 心がそれに執着している人を

(しはとらえてさらっていくねむっているむらをだいこうずいがおしながすように)

死は捉えてさらって行く 眠っている村を大洪水が押し流すように

(こもすくうことができないちちもしんせきもまたすくうことができない)

子も救うことができない 父も親戚もまた救うことができない

(しにおそわれたものにとってはかれらもきゅうさいしゃとはならない)

死におそわれた者にとっては彼らも救済者とはならない

(わたしはこれをなしとげたこれをしたならばこれをしなければならないであろう)

「私はこれを成し遂げたこれをしたならばこれをしなければならないであろう」

(というふうにあくせくしているひとびとをおいとしとがふんさいする)

と、いうふうにあくせくしている人々を 老いと死とが粉砕する

(それゆえにしゅぎょうそうらはつねにめいそうをたのしみこころをあんていとういつしてつとめはげみ)

それ故に修行僧らは常に瞑想を楽しみ心を安定統一して務め励み

(せいとおいとのきゅうきょくをみきわめ)

生と老いとの究極を見極め

(あくまとそのぐんぜいにうちかってせいしのひがんにたっするものとなれ)

悪魔とその軍勢に打ち克って 生死の彼岸に達する者となれ

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