海想列車/湊あくあ

(かいそうれっしゃほんのすこしだけゆめのなかで)

海想列車ほんの少しだけ夢の中で

(ゆらゆらゆられてなみにつつまれていたい)

ユラユラ揺られて波に包まれていたい

(ゆめをみてたあのころのゆめを)

夢を見てたあの頃の夢を

(おくびょうだったどこにもいけなかった)

臆病だったどこにも行けなかった

(かわりたくてでんしゃにのりこんだ)

変わりたくて電車に乗り込んだ

(このせかいでいちまいだけのきっぷ)

この世界で一枚だけの切符

(ろせんずもじこくひょうもいまはくうはくだけど)

路線図も時刻表も今は空白だけど

(まどのむこうにはあおよりあおいすいへいせん)

窓の向こうには青より青い水平線

(かいそうれっしゃほんのすこしだけこわいけれど)

海想列車ほんの少しだけ怖いけれど

(はしりだしたゆめはもうとまらない)

走り出した夢はもう止まらない

(せいかいなんてかんがえてみてもわからないから)

正解なんて考えてみてもわからないから

(めのまえにひろがるこのけしきをみていたい)

目の前に広がるこの景色を見ていたい

(ゆめをみてたあのころのゆめを)

夢を見てたあの頃の夢を

(ひとりじゃきっとここまでこれなかった)

一人じゃきっとここまで来れなかった

(とちゅうのえきでおりたそのときにも)

途中の駅で降りたその時にも

(きみがいつもそばにいてくれた)

君がいつも傍にいてくれた

(「ごめんね」も「ありがとう」もまだいいたりてないよ)

「ごめんね」も「ありがとう」もまだ言い足りてないよ

(わたしのぺーすでぶきようなりにつたえてくから)

私のペースで不器用なりに伝えてくから

(かいじょうをはしりぬけまだしらないせかいへ)

海上を走り抜けまだ知らない世界へ

(くうはくのろせんずはいまこのてでつくりあげてゆく)

空白の路線図は今この手で作り上げてゆく

(かいそうれっしゃゆめからさめた)

海想列車夢から覚めた

(なつかしくてかわらないおもいをそっとだきしめた)

懐かしくて変わらない想いをそっと抱きしめた

(わらいあっててをとりあって)

笑い合って手を取り合って

(おなじときをすごしたきみとこれからもずっと)

同じ時間を過ごした君とこれからもずっと

(かいそうれっしゃもうこわくはない)

海想列車もう怖くはない

(むがむちゅうでかけぬけたひびはゆめじゃないから)

無我夢中で駆け抜けた日々は夢じゃないから

(せいかいなんてあいかわらずまだわからないけど)

正解なんて相変わらずまだわからないけど

(めのまえにひろがるこのけしきをみていたい)

目の前に広がるこの景色を見ていたい

(きみといっしょにこのけしきをみていたい)

君と一緒にこの景色を見ていたい