銀河鉄道の夜 60
カムパネルラが少しそっちをさけるようにしながら、天の川のひととこを指さしました。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | KMS | 7837 | 神 | 8.3 | 93.9% | 168.8 | 1414 | 91 | 34 | 2024/03/17 |
2 | kanta | 5067 | B+ | 5.2 | 96.1% | 266.2 | 1405 | 56 | 34 | 2024/03/10 |
3 | Par100 | 4275 | C+ | 4.3 | 98.8% | 324.2 | 1403 | 17 | 34 | 2024/03/24 |
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問題文
(「あ、あすこせきたんぶくろだよ。そらのあなだよ。」)
「あ、あすこ石炭袋だよ。そらのあなだよ。」
(かむぱねるらがすこしそっちをさけるようにしながら)
カムパネルラが少しそっちをさけるようにしながら
(あまのがわのひととこをゆびさしました。)
天の川のひととこを指さしました。
(じょばんにはそっちをみてまるでぎくっとしてしまいました。)
ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。
(あまのがわのひととこにおおきなまっくらなあなが、どおんとあいているのです。)
天の川の一とこに大きなまっくらな穴が、どおんとあいているのです。
(そのそこがどれほどふかいか、そのおくになにがあるか、)
その底がどれほど深いか、その奥に何があるか、
(いくらめをこすってのぞいてもなんにもみえず、)
いくら目をこすってのぞいてもなんにも見えず、
(ただめがしんしんといたむのでした。)
ただ目がしんしんと痛むのでした。
(じょばんにがいいました。)
ジョバンニがいいました。
(「ぼくもうあんなおおきなやみのなかだってこわくない。)
「ぼくもうあんな大きな闇の中だってこわくない。
(きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしにいく。)
きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。
(どこまでもどこまでもぼくたちいっしょにすすんでいこう。」)
どこまでもどこまでもぼくたちいっしょに進んで行こう。」
(「ああきっといくよ。)
「ああきっと行くよ。
(ああ、あすこののはらはなんてきれいだろう。)
ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。
(みんなあつまってるねえ。あすこがほんとうのてんじょうなんだ。)
みんな集まってるねえ。あすこがほんとうの天上なんだ。
(あっあすこにいるのぼくのおかあさんだよ。」)
あっあすこにいるのぼくのお母さんだよ。」
(かむぱねるらはにわかにまどのとおくにみえる)
カムパネルラはにわかに窓の遠くに見える
(きれいなのはらをさしてさけびました。)
きれいな野原を指して叫びました。
(じょばんにもそっちをみましたけれども)
ジョバンニもそっちを見ましたけれども
(そこはぼんやりしろくけむっているばかり、)
そこはぼんやり白くけむっているばかり、
(どうしてもかむぱねるらがいったようにはおもわれませんでした。)
どうしてもカムパネルラがいったようには思われませんでした。
(なんともいえずさびしいきがしてぼんやりそっちをみていましたら、)
なんともいえずさびしい気がしてぼんやりそっちを見ていましたら、
(むこうのかわぎしににほんのでんしんばしらが)
向こうの河岸に二本の電信ばしらが
(ちょうどりょうほうからうでをくんだようにあかいうでぎをつらねてたっていました。)
ちょうど両方から腕を組んだように赤い腕木をつらねて立っていました。
(「かむぱねるら、ぼくたちいっしょにいこうねえ。」)
「カムパネルラ、ぼくたちいっしょに行こうねえ。」
(じょばんにがこういいながらふりかえってみましたら、)
ジョバンニがこういいながらふりかえって見ましたら、
(そのいままでかむぱねるらのすわっていたせきに)
そのいままでカムパネルラのすわっていた席に
(もうかむぱねるらのかたちはみえず)
もうカムパネルラの形は見えず
(ただくろいびろうどばかりひかっていました。)
ただ黒いびろうどばかりひかっていました。
(じょばんにはまるでてっぽうだまのようにたちあがりました。)
ジョバンニはまるで鉄砲丸(てっぽうだま)のように立ちあがりました。
(そしてだれにもきこえないようにまどのそとへからだをのりだして、)
そして誰にも聞こえないように窓の外へからだを乗り出して、
(ちからいっぱいはげしくむねをうってさけび、)
力いっぱいはげしく胸をうって叫び、
(それからもうのどいっぱいなきだしました。)
それからもう咽喉いっぱい泣きだしました。
(もうそこらがいっぺんにまっくらになったようにおもいました。)
もうそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。
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