ダメダメな父(皇帝の正位置)

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投稿者投稿者死神の嫁いいね1お気に入り登録
プレイ回数309難易度(5.0) 2058打 長文 長文モードのみ
タロットカードを題材にした、オリジナル小説です
5枚目のカード、皇帝の正位置との話です。
面白いと思ってもらえたり、カードのことを知っていただけると嬉しいです!

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問題文

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(「こうてい」ときくと、どんないめーじをいだくだろうか。)

『皇帝』と聞くと、どんなイメージを抱くだろうか。

(くにのちちとかんがえられているがゆえに、いげんをもちたみをしたがえる・・・・・・)

国の父と考えられているが故に、威厳を持ち民を従える・・・・・・

(そんないめーじがだとうではないだろうか。)

そんなイメージが妥当ではないだろうか。

(だが、わたしのちかくにいる「こうてい」は・・・・・・)

だが、私の近くにいる『皇帝』は・・・・・・

(「ああ・・・・・・むすめよ。きてくれたのか!まっていたぞ!」)

「ああ・・・・・・娘よ。来てくれたのか!待っていたぞ!」

(「じょていさんがようすをみにいってくれっていってたから・・・・・・)

「女帝さんが様子を見に行ってくれって言ってたから・・・・・・

(ってなによこのちらかったしりょうは!」)

って何よこの散らかった資料は!」

(・・・・・・だめだめなじんぶつです。)

・・・・・・ダメダメな人物です。

(かれのなは「こうてい」のせいいち、かーどばんごうは4で)

彼の名は『皇帝』の正位置、カード番号は4で

(「じょてい」のせいいちとともに、いっこくのおうとしてくんりんしている。)

『女帝』の正位置と共に、一国の王として君臨している。

(おもないみは「いげん・いだい・せきにんかん」、まさにこうていのなにふさわしい。)

主な意味は『威厳・偉大・責任感』、正に皇帝の名にふさわしい。

(だが、かれじしんのせいかくからはほんらいのこうていのいめーじがかんじられない。)

だが、彼自身の性格からは本来の皇帝のイメージが感じられない。

(それはかれのわたしにたいするたいどがげんいんであるとじょていはいう。)

それは彼の私に対する態度が原因であると女帝は言う。

(「ははは、むすめがくるとおもうとうれしくてな。ついほうりだしてしもうた!」)

「ハハハ、娘が来ると思うと嬉しくてな。つい放り出してしもうた!」

(「え、なにやってんのよ!そんなことしたら、またじょていさんにおこられるよ?)

「え、何やってんのよ!そんなことしたら、また女帝さんに怒られるよ?

(わたしもてつだってあげるからはやくせいりしよう!」)

私も手伝ってあげるから早く整理しよう!」

(じょていさんいわく、わたしがくるといつものいげんがしょうめつしてしまうらしい。)

女帝さん曰く、私が来るといつもの威厳が消滅してしまうらしい。

(それだけだいじにされているということなのだろうが)

それだけ大事にされているということなのだろうが

(いっこくをおさめるおさとしてそれはいいのだろうかとふあんになる。)

一国を治める長としてそれはいいのだろうかと不安になる。

(「むすめはちちおもいなのだな、かんしんかんしん!)

「娘は父想いなのだな、関心関心!

など

(これほどよいむすめをもてて、われはしあわせぞ!)

これ程良い娘を持てて、我は幸せぞ!

(さぁ、そのあいらしいかおをもっとちかくでみせておくれ!」)

さぁ、その愛らしい顔をもっと近くで見せておくれ!」

(「そのまえにしりょうのせいり!これきょうまでってかいてあるじゃない・・・・・・)

「その前に資料の整理!これ今日までって書いてあるじゃない・・・・・・

(いそいでやらなきゃじょていさんにおこられるでしょ、くちよりもてをうごかす!」)

急いでやらなきゃ女帝さんに怒られるでしょ、口よりも手を動かす!」

(わたしがいうと、こうていはしぶしぶさぎょうにとりかかった。)

私が言うと、皇帝は渋々作業に取り掛かった。

(ときおりわたしのほうをちらりとみては、しずんだひょうじょうでさぎょうをさいかいする。これのくりかえし。)

時折私の方をちらりと見ては、沈んだ表情で作業を再開する。これの繰り返し。

(ああ、なんてこうりつのわるい。これではいつおわるかわかったものじゃない。)

嗚呼、何て効率の悪い。これではいつ終わるか分かったものじゃない。

(「・・・・・・こうていさん。おわったらいっぱいかまってあげるから、がんばって」)

「・・・・・・皇帝さん。終わったらいっぱいかまってあげるから、頑張って」

(「・・・・・・ほんとうか?よし、このかだいおわらせてみせようぞ!」)

「・・・・・・本当か?よし、この課題終わらせて見せようぞ!」

(さすがじょていさんじきでんのひぎ、こうかはばつぐんだ。)

流石女帝さん直伝の秘技、効果は抜群だ。

(こうていはさっきのやるきのなさはどこへいったのやら・・・・・・)

皇帝はさっきのやる気のなさはどこへ行ったのやら・・・・・・

(とつぜんやるきをだしてさぎょうにとりかかりはじめた。)

突然やる気を出して作業に取り掛かり始めた。

(そのちょうしならきょうじゅうにおわるだろう。)

その調子なら今日中に終わるだろう。

(くしょうしつつもどこかにくめないちちおやのせなかに、わたしははげましのこえをかけた。)

苦笑しつつも何処か憎めない父親の背中に、私は励ましの声をかけた。

(よだんだが、こうていのへやにくるまえにじょていさんからこんなことをいわれていた。)

余談だが、皇帝の部屋に来る前に女帝さんからこんなことを言われていた。

(「もし、あのひとがしごとをほうきしていたら、おうえんのことばをかけてあげてほしいの。)

「もし、あの人が仕事を放棄していたら、応援の言葉をかけてあげて欲しいの。

(そうすればやるきになるとおもうから」)

そうすればやる気になると思うから」

(きっとこのことをみこして、じぜんにわたしにいったのだろう。)

きっとこの事を見越して、事前に私に言ったのだろう。

(さすがはふうふだなとかんしんしたのは、いうまでもない。)

流石は夫婦だなと感心したのは、言うまでもない。

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