フリヤマナイ

(とけたあすふぁるとの)

溶けたアスファルトの

(むせかえるようなにおいは)

むせかえるような臭いは

(すれちがうひとたちに)

すれ違う人達に

(ひどくこびりついてはなれない)

ひどくこびりついて離れない

(まだこうじちゅうのえきまえぬれたこんこーすのなか)

まだ工事中の駅前 濡れたコンコースの中

(またきょうもたばこのひがうまくつかない)

また今日も煙草の火が 上手くつかない

(おいかけているものがなんだった)

追いかけている ものが何だった

(のかさえもわすれてしまって)

のかさえも 忘れてしまって

(がいとうをうちつづけるあまおとの)

街灯を打ち続ける雨音の

(ひびきだけのこすよ)

響きだけ残すよ

(ことばにすればかんたんなことで)

言葉にすれば 簡単なことで

(うけいれるつもりもあるけれど)

受け入れるつもりもあるけれど

(はねかえったくろいしずくが)

跳ね返った 黒い 雫が

(ぼくをさしてあるけなくするんだ)

僕を刺して 歩けなくするんだ

(みちばたにすてられた)

道端に捨てられた

(びにーるがさもだれかと)

ビニール傘も誰かと

(おなじつかいすてで)

同じ使い捨てで

(きずがすけてみえているけど)

傷が透けて見えているけど

(はいすいこうのおとがすべてをかきけすよ)

排水溝の音が 全てをかき消すよ

(またくもりときどきあめ)

また曇り時々雨

(いつまでつづくんだろう)

いつまで続くんだろう

(あのひははれてたな)

あの日は晴れてたな

(だれだってきみとおんなじ)

誰だって 君とおんなじ

(ようないたみやくるしみをもってる)

ような痛みや苦しみを持ってる

(ぼくにいったあのにごったひとみのうそつきたち)

僕に言った あの濁った 瞳の噓つき達

(わらうことさえゆるされないよな)

笑うことさえ 許されないよな

(ねじまがってしまったこころに)

ねじ曲がってしまった心に

(だれもおまえのみかたなどいないと)

誰もお前の味方などいないと

(ひややかにざんこくにつげるんだ)

冷ややかに 残酷に告げるんだ

(おいかけているものがなんだった)

追いかけている ものが何だった

(のかさえもわすれてしまって)

のかさえも 忘れてしまって

(がいとうをうちつづけるあまおとの)

街灯を打ち続ける雨音の

(ひびきだけのこすよ)

響きだけ残すよ

(ことばにすればかんたんなことで)

言葉にすれば 簡単なことで

(うけいれるつもりもあるけれど)

受け入れるつもりもあるけれど

(はねかえったくろいしずくが)

跳ね返った 黒い 雫が

(ぼくをさしてあるけなくするんだ)

僕を刺して 歩けなくするんだ