僕の願い

(よのなかはつめたくて)

世の中は冷たくて

(おまえをいじめぬくのだよ)

お前をいじめぬくのだよ

(わたしだけが)

私だけが

(おまえにたべさせきせて)

お前に食べさせ着せて

(まもってやるのだよ)

守ってやるのだよ

(そのかわりにおまえはここから でてはならない)

その代わりにお前はここから 出てはならない

(わすれてはならんぞかじもど)

忘れてはならんぞ　カジモド

(おまえは)

お前は

(わたしは)

私は

(みにくいぞ)

醜いぞ

(みにくいのだ)

醜いのだ

(よのなかはおまえをきらってる)

世の中はお前を嫌ってる

(まもってやるのは)

守ってやるのは

(あなただけです)

貴方だけです

(おまえはかいぶつだと)

お前は怪物だと

(かいぶつ)

怪物...

(にくみあざけりわらう)

憎み嘲り笑う

(かいぶつ)

怪物...

(もうよのなかはあいてにせず)

もう世の中は相手にせず

(ここにいなければならぬ)

ここにいなければならぬ

(かんしゃしつつ)

感謝しつつ

(したがう)

従う...

(よくしてくださっているのにおゆるしを)

良くしてくださっているのにお許しを

(よろしい)

よろしい

(わすれてはならんぞ ここだけがあんぜんなのだ)

忘れてはならんぞ ここだけが安全なのだ

(あんぜんか)

安全か...

(いつもひとりでいきてゆく)

いつも一人で生きてゆく

(ここにかくれてくらす)

ここに隠れて暮らす

(ましたをみつめていきてゆく)

真下を見つめて生きてゆく

(ぼくはみんなをみてる)

僕はみんなを見てる

(みんなはぼくをしらない)

みんなは僕を知らない

(これからもずっとこのまま)

これからもずっとこのまま

(もしこのねがいがかなうならいきたいな)

もしこの願いが叶うなら行きたいな

(みんなのもと)

みんなのもと

(ひかりあびながら いちにちだけでもくらしたい)

光浴びながら 一日だけでも暮らしたい

(みなのもとで)

皆のもとで

(もしであいがあって)

もし出会いがあって

(だれかがぼくを)

誰かが僕を

(あいしてくれるなら)

愛してくれるなら！

(みんなはきょうもいそがしくして)

みんなは今日も忙しくして

(たのしくいきいきくらす)

楽しくいきいき暮らす

(なんてすばらしいいきかただ)

なんて素晴らしい生き方だ

(かがやきにあふれている)

輝きに溢れている

(ああぼくもみんなといっしょに)

ああ僕もみんなと一緒に

(あるいてみたいさんぽしたい)

歩いてみたい　散歩したい

(てをつないでせーぬのそばを)

手をつないでセーヌのそばを

(あさのひかりをあびながら)

朝の光を浴びながら

(このねがいが)

この願いが

(もしも)

もしも

(ぼくにゆるされるそのひがくるなら)

僕に許されるその日が来るなら

(もうなにもいらない)

もう何もいらない！