人魚姫 3

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プレイ回数1895難易度(4.5) 2186打 長文
原作 アンデルセン

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(またいちねんたって、こんどはさんばんめのにんぎょひめがうみのうえにでました。)

また一年たって、今度は三番目の人魚姫が海の上に出ました。

(このにんぎょひめは、きょうだいのなかでいちばんのおてんばさんでした。)

この人魚姫は、きょうだいのなかで一番のおてんばさんでした。

(「わたしはうみにつづいているおおきなかわをおよいで、どんどんのぼってみたの。)

「私は海に続いている大きな川を泳いで、どんどんのぼってみたの。

(きれいなみどりのぶどうばたけがみえたわ。もりのむこうにおしろもみえたわ。)

きれいな緑の葡萄畑が見えたわ。森の向こうにお城も見えたわ。

(きのえだで、ふしぎなさかながうたっていたっけ。)

木の枝で、不思議な魚が歌っていたっけ。

(おひさまがあつくて、わたしはみずにもぐってはかおをひやしたの。)

お日さまが暑くて、私は水に潜っては顔を冷やしたの。

(いりえでは、にんげんのこどもたちがおよいでいたわ。)

入り江では、人間の子供たちが泳いでいたわ。

(しっぽもないのにおよげるのよ。ふしぎね。)

しっぽもないのに泳げるのよ。不思議ね。

(でもそばへいこうとしたら、みんなにげちゃった。)

でもそばへ行こうとしたら、みんな逃げちゃった。

(そこへくろいどうぶつがきて、わんわんほえるからこわくなって)

そこへ黒い動物が来て、ワンワン吠えるから怖くなって

(こんどは、こっちがにげてきたの。あのくろいどうぶつはなんだったのかしら」)

こんどは、こっちが逃げてきたの。あの黒い動物はなんだったのかしら」

(このげんきのいいにんぎょひめが、こわくなってにげかえったくろいどうぶつはいぬでした。)

この元気のいい人魚姫が、怖くなって逃げ帰った黒い動物は犬でした。

(でもいぬなんて、もちろんみたことがなかったのです。)

でも犬なんて、もちろん見たことがなかったのです。

(さてつぎのとしは、よんばんめのにんぎょひめがうみのうえにでるばんでした。)

さて次の年は、四番目の人魚姫が海の上に出る番でした。

(このにんぎょひめは、おてんばなおねえさまとはちがって、)

この人魚姫は、おてんばなお姉さまとは違って、

(うみのうえをあちこちながめまわしただけで、)

海の上をあちこち眺めまわしただけで、

(りくへちかづいたりはしませんでした。)

陸へ近づいたりはしませんでした。

(「うみのうえはひろびろして、ほんとにきれいだったわ。)

「海の上は広々して、ほんとにきれいだったわ。

(ずうっととおくまでみわたせるの。そらはまるで、おおきながらすのふたを)

ずうっと遠くまで見渡せるの。空はまるで、大きなガラスの蓋を

(したみたいだったわ。ふねもみえたけれどとてもとおくでしろいかもめのようだったわ)

したみたいだったわ。船も見えたけれどとても遠くで白いカモメのようだったわ

など

(おちゃめないるかがわたしをかんげいして、とんぼがえりをみせてくれたし)

おちゃめなイルカが私を歓迎して、とんぼ返りを見せてくれたし

(くじらははなからみずをふきあげて、おおきなふんすいみたいだったわ」)

くじらは鼻から水を噴き上げて、大きな噴水みたいだったわ」

(ごばんめのにんぎょひめは、たんじょうびがふゆだったので)

五番目の人魚姫は、誕生日が冬だったので

(めずらしいひょうざんをみることができたのです。)

珍しい氷山を見ることができたのです。

(「うみはみどりいろで、あちこちにこおりのやまがうかんでいたわ。)

「海は緑色で、あちこちに氷の山が浮かんでいたわ。

(いろんなかたちのひょうざんが、だいやもんどのようにかがやいているの。)

いろんな形の氷山が、ダイヤモンドのように輝いているの。

(わたしがひょうざんにこしかけていると、そばをとおるふねが、なぜかあわててとおざかっていったわ)

私が氷山に腰かけていると、そばを通る船が、なぜか慌てて遠ざかって行ったわ

(ゆうがたくもがでて、ぴかっといなびかりがしかみなりがなりだしたの。)

夕方雲が出て、ぴかっと稲光がし雷が鳴りだしたの。

(うみはまっくら。ひょうざんがいなびかりのたびに、あかやむらさきにうかびあがるうつくしさ。)

海は真っ暗。氷山が稲光のたびに、赤や紫に浮かび上がる美しさ。

(わたしはひょうざんにすわって、そらをじぐざぐにひきさいてはうみにおちるいなづまをみていたの。)

私は氷山に座って、空をジグザグに引き裂いては海に落ちる稲妻を見ていたの。

(すごかったわ」)

すごかったわ」

(こうしてごにんのおねえさまたちは、もういつでもうみのうえにでられるようになり)

こうして五人のお姉さまたちは、もういつでも海の上に出られるようになり

(ゆうぐれになると、てをつないでうえへあがっていきました。)

夕暮れになると、手をつないで上へあがっていきました。

(そして、みんなでうつくしいこえでうたうのでした。)

そして、みんなで美しい声で歌うのでした。

(あらしがきてふねがしずみそうになるときも、にんぎょひめたちはうたいながらさそうのです。)

嵐が来て船が沈みそうになる時も、人魚姫たちは歌いながら誘うのです。

(「おりていらっしゃい、うつくしいうみのそこへ・・・」)

「おりていらっしゃい、美しい海の底へ・・・」

(ふねがしずむと、おぼれしんだひとたちはあんしんしたようすで)

船が沈むと、おぼれ死んだ人たちは安心した様子で

(にんぎょのおしろへおりてくるのでした。)

人魚のお城へおりてくるのでした。

(おねえさまたちがゆうがたのうみのうえへでていくと、すえっこはひとりぼっちになるので)

お姉さまたちが夕方の海の上へ出て行くと、末っ子は独りぼっちになるので

(じゅうごさいのおたんじょうびが、どんなにまちどおしかったかしれません。)

十五歳のお誕生日が、どんなに待ちどおしかったかしれません。

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