人魚姫 6

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プレイ回数1674難易度(4.4) 2785打 長文
原作 アンデルセン

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問題文

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(まじょのいえは、ごうごうとすごいなみのおおうずまきをこえた)

魔女の家は、ごうごうとすごい波の大渦巻きを越えた

(「ふしぎのもり」にありました。)

『不思議の森』にありました。

(もりには、ころぶとすいこまれてしまうおそろしいどろみちのほか)

森には、転ぶと吸い込まれてしまう恐ろしい泥道のほか

(あたまがひゃくもあるへびのようなかいそうがゆれていて、とおるものをつかまえます。)

頭が百もある蛇のような海草が揺れていて、通るものを捕まえます。

(つかんだらしぬまではなさないので、そこらはしろいほねだらけでした。)

つかんだら死ぬまで離さないので、そこらは白い骨だらけでした。

(にんぎょひめはおもわずたちすくみました。)

人魚姫は思わず立ちすくみました。

(でも、おうじさまのことをおもうとゆうきがわきました。)

でも、王子様のことを思うと勇気が湧きました。

(にんぎょひめはながいかみのけをしっかりあたまにまきつけて、ひっしにはしりぬけたのです。)

人魚姫は長い髪の毛をしっかり頭に巻きつけて、必死に走り抜けたのです。

(「きたか。おまえのたのみはわかっているよ」)

「きたか。おまえの頼みはわかっているよ」

(まじょはおおきなうみへびをなでながらいいました。)

魔女は大きな海蛇をなでながら言いました。

(「しっぽをすててにんげんになりたいなんて、おまえもおばかさんだね。)

「しっぽを捨てて人間になりたいなんて、お前もおばかさんだね。

(ふしあわせになるよ。ひっひっひ。しかし、せっかくきたのだから)

不幸せになるよ。ひっひっひ。しかし、せっかく来たのだから

(いいくすりをつくってあげよう。のめばそのしっぽはあしにかわる。)

いい薬を作ってあげよう。飲めばそのしっぽは足に変わる。

(だがあるくたびに、ないふでさすようにいたむよ」)

だが歩くたびに、ナイフで刺すように痛むよ」

(「かまいません、にんげんになれるのなら・・・」)

「かまいません、人間になれるのなら・・・」

(「もうにどとにんぎょにはもどれないよ。それに、もしおうじがほかのむすめとけっこんすれば)

「もう二度と人魚には戻れないよ。それに、もし王子がほかの娘と結婚すれば

(おまえはつぎのあさ、うみのあわになってしまうよ。いいのかい?」)

おまえは次の朝、海の泡になってしまうよ。いいのかい?」

(「はい、それでもかまいません」)

「はい、それでもかまいません」

(「まだある。くすりはただじゃないよ。おまえのそのきれいなこえがほしいのさ。)

「まだある。薬はただじゃないよ。お前のそのきれいな声が欲しいのさ。

(わたしがくすりをつくるのには、このむねをきりさいてちをまぜるんだからね。)

私が薬を作るのには、この胸を切り裂いて血を混ぜるんだからね。

など

(おまえからも、だいじなものをもらわなきゃ。さあ、そのかわいいしたをおだし!)

おまえからも、大事な物をもらわなきゃ。さあ、そのかわいい舌をお出し!

(くすりだいのかわりにきりとってあげよう。おや、ふるえているね。)

薬代のかわりに切り取ってあげよう。おや、震えているね。

(こわけりゃやめてもいいんだよ。ひひひひ」)

怖けりゃやめてもいいんだよ。ひひひひ」

(「い、いいえ、こわくありません。どうぞ・・・」)

「い、いいえ、怖くありません。どうぞ・・・」

(にんぎょひめはにんげんになるくすりのかわりに、まじょにしたをきられてしまったのです。)

人魚姫は人間になる薬の代わりに、魔女に舌を切られてしまったのです。

(したがなければ、しゃべることもうたうこともできません。)

舌がなければ、しゃべることも歌うこともできません。

(「でも、これでにんげんになれるわ」)

『でも、これで人間になれるわ』

(にんぎょひめはおうじさまのおしろのいしだんのしたにつくと、いっきにくすりをのみました。)

人魚姫は王子様のお城の石段の下に着くと、いっきに薬を飲みました。

(のどからひのようにあついものがつきぬけ、)

喉から火のように熱いものが突き抜け、

(あまりのくるしさにきをうしなってたおれました。)

あまりの苦しさに気を失って倒れました。

(うみにあさひがのぼりました。にんぎょひめはめがさめました。)

海に朝日が昇りました。人魚姫は目が覚めました。

(からだがいたくてやけつくようでした。)

体が痛くて焼けつくようでした。

(でもしっぽがなくなって、しろいにほんのあしがはえていたのです。)

でもしっぽがなくなって、白い二本の足がはえていたのです。

(そのとき、あのうつくしいおうじさまがいしだんをおりてきました。)

その時、あの美しい王子様が石段をおりてきました。

(「あなたはだれ?」おうじさまはやさしくたずねました。)

「あなたは誰?」王子様は優しく尋ねました。

(にんぎょひめはなきそうなかおで、おうじさまをみあげました。)

人魚姫は泣きそうな顔で、王子様を見上げました。

(へんじをしたくてもしゃべれないのです。)

返事をしたくてもしゃべれないのです。

(「かわいそうに、くちがきけないのだね。さあ、いっしょにおいで」)

「かわいそうに、口がきけないのだね。さあ、一緒においで」

(おうじさまはにんぎょひめのてをとって、おしろへつれていきました。)

王子様は人魚姫の手を取って、お城へ連れて行きました。

(そして、きれいなきぬのどれすをきせてくれたのです。)

そして、きれいな絹のドレスを着せてくれたのです。

(「にあうよ、とてもすてきだ」)

「似合うよ、とても素敵だ」

(つぎのひは、おしろのだんすぱーてぃーでした。)

次の日は、お城のダンスパーティーでした。

(にんぎょひめはゆかをかろやかにすべるようにおどるので、おうじさまはおどろきました。)

人魚姫は床を軽やかに滑るように踊るので、王子様は驚きました。

(「きみはうつくしい、ちょうちょのようだ」)

「君は美しい、蝶々のようだ」

(にんぎょひめはおうじさまにほめられたのがうれしくて、さいごまでおどりつづけました。)

人魚姫は王子様に褒められたのが嬉しくて、最後まで踊り続けました。

(でもほんとは、ひとあしごとにないふをふむようないたさでした。)

でもほんとは、ひと足ごとにナイフを踏むような痛さでした。

(おうじさまはそれからいつも、にんぎょひめをうまにのせてくれたり)

王子様はそれからいつも、人魚姫を馬に乗せてくれたり

(やまにつれていってくれたり、まるでいもうとのようにかわいがってくれました。)

山に連れて行ってくれたり、まるで妹のようにかわいがってくれました。

(にんぎょひめはしあわせでした。)

人魚姫は幸せでした。

(ただよるになると、あしがあつくほてってねむれないほどでした。)

ただ夜になると、足が熱くほてって眠れないほどでした。

(それでよふけになると、そっといしだんをおりてつめたいうみのみずであしをひやしました。)

それで夜更けになると、そっと石段を下りて冷たい海の水で足を冷やしました。

(あるばん、なみのあいだににんぎょひめのおねえさまたちがみえました。)

ある晩、波の間に人魚姫のお姉さまたちが見えました。

(おばあさまも、おとうさまのおうさまもいます。)

おばあさまも、お父様の王様もいます。

(きっとみんなしんぱいして、ようすをみにきたのでしょう。)

きっとみんな心配して、様子を見に来たのでしょう。

(にんぎょひめはなつかしさでいっぱいになって、てであいずをしました。)

人魚姫は懐かしさでいっぱいになって、手で合図をしました。

(「だいじょうぶよ!わたしはしあわせです!」)

『大丈夫よ!私は幸せです!』

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