空室

(しおさいはぷーるさいどこうかいはいのせんと)

潮騒はプールサイド　後悔はイノセント

(はだかのばつはぜんぶおわりさ)

裸の罰は全部終わりさ

(なつをあゆめどまるでとどかない)

夏を歩めどまるで届かない

(ゆきずりがちんちゃくしたかいかんがいま)

行き摺りが沈着した快感が今

(むけいかくなよるをつきつけるから)

無計画な夜を突き付けるから

(ひとみはまだしじまのはださむさにおぼれたまま)

瞳は未だ静寂の肌寒さに溺れたまま

(やましさにあてられて)

疚しさにあてられて

(かけだすのもわるくはないのでしょう)

駆け出すのも悪くはないのでしょう

(よりそっていたいなんて)

寄り添っていたいなんて

(そこなしのかんしょうでした)

底なしの感傷でした

(さめやらないこのほとぼりは)

冷めやらないこのほとぼりは

(いぶきまでもさらうのでしょう)

息吹までも攫うのでしょう

(はきだしたことばそれだけおぼえているんだ)

吐き出した言葉　それだけ覚えているんだ

(かかとをつぶしてしずんでゆく)

踵を潰して沈んでゆく

(みたいけんのまつろまよいこんだあけと)

未体験の末路　迷い込んだ朱と

(きみのやるせのないすがたをさがしている)

君の遣る瀬の無い姿を探している

(なつはいつもひといきれにきょうがない)

夏はいつも人いきれに興がない

(それはまちがいでしたはいはんでした)

それは間違いでした　背反でした

(からまったあいをわかつしんきろう)

絡まった愛を分かつ蜃気楼

(このこころはあなのむじなたがいをたがえたまま)

この心は穴の狢　互いを違えたまま

(ほおをつたったじょうどうはどこへむかおう)

頬を伝った情動は何処へ向かおう

(このへやにはこのまちには)

この部屋には　この街には

(ゆくあてのないことなどわかってるから)

ゆく宛てのないことなどわかってるから

(てきとうなことばなんていらないな)

適当な言葉なんて要らないな

(あさぼらけがこののろいがぼくをつらぬいた)

朝ぼらけが　この呪いが　僕を貫いた

(ただしさにどくされて)

正しさに毒されて

(かけだすのもわるくはないんでしょう)

駆け出すのも悪くはないんでしょう

(つながっていたいなんて)

繋がっていたいなんて

(そのたびあまえていました)

その度甘えていました

(ままならないこのきずあとは)

ままならないこの傷跡は

(かさぶたへとかわるのでしょう)

かさぶたへと変わるのでしょう

(さびついたあたまそれだけのこっているんだ)

錆びついた頭　それだけ残っているんだ

(あまぞらがもうしらんでゆく)

雨空がもう白んでゆく