全てあなたの所以です。　鵺

(ひかりをいとうかみのなかなにをみているのですか？)

光を厭う紙の中、何を見ているのですか？

(いまだこぬじむしつでぎむというなのぱずるをくむ)

未だ来ぬ事務室で、義務という名のパズルを組む。

(あなたのきちをたどっていたあとでひきかえすために)

あなたの既知を辿っていた、後で引き返すために。

(うごめくじがのきょうりとは？あなたとはなにものか？)

蠢く自我の郷里とは？詐欺師(あなた)とは何者か？

(あまねくしるものにとうてとうてとうてといつづけるのです)

遍く知る者に、問うて問うて問うて問い続けるのです。

(おうせをはえるたんにどはゆがめられたとりいとしらずに)

逢瀬を這える短二度は、歪められた鳥居と知らずに。

(ひかりをいとうかみのなかなにをみているのですか？)

光を厭う紙の中、何を見ているのですか？

(すでにてのなかにあらずちゅうとはんぱなぱずるをみゆ)

既に手の中に在らず、中途半端なパズルを見ゆ。

(おのれのむちにぜつぼうしたあなたのかおがみたくて)

己の無知に絶望した、あなたの顔が見たくて。

(とどろくあかのほんいとは？わたしはなにをすべきか？)

轟く朱の本意とは？顧慮者(わたし)は何をすべきか？

(かきんにたくせどもきけばけんきょうふかいのせつにすぎずと)

瑕瑾に託せども、聞けば｢牽強付会の説に過ぎず｣と。

(ざくろにもとむちょうさんどずがいのせんがつながらずとも)

柘榴に求む長三度、頭蓋の線が繋がらずとも。

(あかくぬられたげんじつはすべてあなたのゆえんです)

朱く塗られた現実は、全てあなたの所以です。

(はむかおうとするなればいやしきごびゅうをかかえていて)

歯向かおうとするなれば、卑しき誤謬を抱えていて。

(うなりくやみまよいほしになりてんめいをまつのでしょう)

唸り、悔み、迷い星になり、天命を待つのでしょう。

(おうせをはえるたんにどはゆがめられたとりいとしらずに)

逢瀬を這える短二度は、歪められた鳥居と知らずに。

(ひかりをいとうかみのなかなにをみているのですか？)

光を厭う紙の中、何を見ているのですか？

(あかくぬられたげんじつはすべてあなたのゆえんです)

朱く塗られた現実は、全てあなたの所以です。