演葬

(うまれたくうきょなりそうしずかにはなむけ)

生まれた空虚な理想　静かに餞

(とむらいさいごになってあわくちる)

弔い最後になって　淡く　散る

(よみきかすねむりへのうたくちてひかりもらう)

読み聞かす眠りへの詩　朽ちて光もらう

(いつわりのいたみこのさきは)

偽りの痛み　この先は

(こないで)

「こないで...」

(かじかむしろいてでほどこすおくるけしょう)

悴む白い手で　施す送る化粧

(なまえさえなくなって)

名前さえ無くなって

(ないてないでかえろう)

泣いて　ないで　還ろう

(えらいしそうとえらいしそうに)

偉い志操と 偉い死相に

(えがいたもののせてやすらかに)

描いたもの乗せて安らかに

(そらにちらばったせいしんはよりそってきえて)

空に散らばった精神は 寄り添って消えて

(せめてたむけにはなをそえよう)

せめて手向けに 花を添えよう

(どうかしずかな)

どうか静かな

(どうかしずかな)

どうか静かな

(どうかしずかなしあわせねがう)

どうか静かな 幸せ願う

(すごしたひょうかはいずれうれたかいがのように)

過ごした評価はいずれ 売れた絵画のように

(ひろがることもなくわすれてく)

広がることもなく 忘れてく

(だれかをきずつけるならわざわいこのみなら)

誰かを傷付けるなら 災いこの身なら

(おぼえないでいいこのさきは)

覚えないでいい この先は

(みないで)

「見ないで...」

(にているうつしみにうつむきさんれつを)

似ている現身に 俯き参列を

(おそれずしゅくしゅくと)

恐れず粛々と

(じゅんをおってとげよう)

順を 追って 遂げよう

(えんじじせいをえんじぎせいを)

演じ自制を 演じ犠牲を

(えいじたものをかなでてほうむろう)

詠じたものを奏でて葬ろう

(こころもようとざしてしんじたもくとうで)

心模様閉ざして 信じた黙祷で

(ことばうしなってはなもかれて)

言葉失って 花も枯れて

(どうかこれいじょう)

どうかこれ以上

(どうかこれいじょう)

どうかこれ以上

(どうかこれいじょうくるしめないで)

どうかこれ以上 苦しめないで

(えらいしそうとえらいしそうに)

偉い志操と 偉い死相に

(えがいたもののせてやすらかに)

描いたもの乗せて安らかに

(えらいしそうとえらいしそうに)

偉い志操と 偉い死相に

(えがいたもののせてやすらかに)

描いたもの乗せて安らかに

(そらにちらばったせいしんはよりそってきえて)

空に散らばった精神は 寄り添って消えて

(せめてたむけにはなをそえよう)

せめて手向けに 花を添えよう

(どうかしずかな)

どうか静かな

(どうかしずかな)

どうか静かな

(どうかしずかなしあわせねがう)

どうか静かな 幸せ願う