雨の中

(こいにやぶれてひとりあるくかえりみち)

恋にやぶれて独り歩く帰り道

(ゆがむがいろじゅ)

ゆがむ街路樹

(みなれているはずなのに)

見慣れているはずなのに

(すでにおもいで)

すでに思い出

(むねをさすようによみがえる)

胸を指すように蘇る

(さっききずついた)

さっき傷ついた

(わかれのせりふさえもすべて)

別れのセリフさえも全て

(まるでおいうちかけるようにとつぜん)

まるで追い打ちかけるように突然

(あめがぼくをおそう)

雨が僕を襲う

(よりによってこんなひにかぎり)

よりによってこんな日に限り

(よほうどうりさひにくだね)

予報どうりさヒニクだね

(きょうはあめのなか)

今日は雨の中

(あめのなか)

雨の中

(ぬれながらあるくのさ)

濡れながら歩くのさ

(ひとりきりひとりきりおりたたみがさもひろげずに)

独りきり独りきりおりたたみ傘も広げずに

(ふたりいるころいつも)

二人いる頃いつも

(はれおとこ)

晴れ男

(はれおんな)

晴れ女

(なにをするでも)

何をするでも

(なんとなく)

なんとなく

(うまくいってたね)

うまくいってたね

(おまえがすきでよくきかされた)

お前が好きでよく聞かされた

(あいつのきょくがまちにひびく)

あいつの曲が街に響く

(つまらないとおもってたはずが)

つまらないと思ってたはずが

(みょうにいいうたにきこえる)

妙にいい唄に聞こえる

(きょうはあめのなか)

今日は雨の中

(あめのなか)

雨の中

(ぬれながらないてやる)

濡れながら泣いてやる

(ひとりきりひとりきり)

独りきり独りきり

(あのうたをくちずさみながら)

あの曲(うた)を口ずさみながら

(きょうはあめのなか)

今日は雨の中

(あめのなか)

雨の中

(ぬれながらあるくのさ)

濡れながら歩くのさ

(ひとりきり)

独りきり

(ひとりきり)

独りきり

(おりたたみがさもひろげずに)

折りたたみ傘も広げずに

(そうさこのあめは)

そうさこの雨は

(このあめは)

この雨は

(このぼくにちょうどいい)

この僕にちょうどいい

(きずついたこのぼくは)

傷ついたこの僕は

(みじめなくらいがちょうどいい)

みじめなくらいがちょうどいい