赤い花火

(７じをまわるまえに)

7時を回る前に

(ふられておいてよかったわ)

フラれておいてよかったわ

(さいごにわたしとみるはなびはよけいにきれいでしょ)

最後に私と見る花火は余計に綺麗でしょ

(くせのあるかたいかみに)

癖のある硬い髪に

(ゆびにほおにくびすじに)

指に頬に首筋に

(もうさわってはいけないのね)

もう触ってはいけないのね

(けむりのあとをめでおうふりして)

煙の跡を目で追うふりして

(つぎのはなびをまつあなたをみてた)

次の花火を待つ　あなたを見てた

(まなつのそらにうかびあがってにじんだ)

真夏の空に浮かび上がって滲んだ

(ほらみてきれいだよなんて)

ほら見て綺麗だよなんて

(いうほどくるしくなった)

言うほど苦しくなった

(にどとなおらないやけどみたいないたみが)

二度と治らない火傷みたいな痛みが

(むねをこがすまほう)

胸を焦がす魔法

(あなたにはつよくかけたのに)

あなたには強くかけたのに

(だれがといたの？)

誰が解いたの？

(どこをどうさがしても)

どこをどう探しても

(あなたはほかにいないのに)

あなたは他にいないのに

(そんなのきっといまだけだよだって)

そんなのきっと今だけだよだって

(そんなわけがないでしょ)

そんなわけがないでしょ

(なつをとおりぬけるたびに)

夏を通り抜けるたびに

(わたしはきれいになるの)

私は綺麗になるの

(おみせできなくてざんねんだわ)

お見せできなくて残念だわ

(わらいとばしてまたあえるのなら)

笑い飛ばして　また会えるのなら

(それでいいそれでいいのそれでもう)

それでいい　それでいいの　それでもう

(おなじはなびがふたりをてらすのに)

同じ花火が二人を照らすのに

(あなたのむねのうちはあかくないのね)

あなたの胸の内は　赤くないのね

(まなつのそらにうかびあがってにじんだ)

真夏の空に浮かび上がって滲んだ

(ほらみてきれいだよなんて)

ほら見て綺麗だよなんて

(いうほどくるしくなった)

言うほど苦しくなった

(にどとなおらないやけどみたいないたみが)

二度と治らない火傷みたいな痛みが

(むねをこがすまほう)

胸を焦がす魔法

(あなたにはつよくかけたのに)

あなたには強くかけたのに

(だれがといたの？)

誰が解いたの？