ノマド

(とほうもないじかんだけまたすぎていく)

途方もない時間だけ　また過ぎていく

(ここはりそうきょうではないましてやえがいたみらいじゃない)

此処は理想郷では無い　ましてや描いた未来じゃ無い

(おわりのないみらいなどなんてくだらない)

終わりのない未来など　なんて下らない

(ゆめのすきまにとうわたしはどこへといくの)

夢の隙間に問う　私は何処へと行くの

(とおいとおいさきのほうへいたみとあるいていた)

遠い　遠い　先の方へ　痛みと歩いていた

(さわがしいまちのこえがあたまにひびく)

騒がしい街の声が頭に響く

(ゆめのそこでもがくのならこのよるをいっそくらってしまいたい)

夢の底でもがくのなら　この夜をいっそ　喰らってしまいたい

(あきれるほどにそばにいておろかでいいにどとないいまをいきていたいだけ)

呆れる程に傍にいて　愚かでいい二度と無い　今を生きていたいだけ

(それだけだ)

それだけ　だ

(すくいのないはなしならとうにききあきた)

救いのない話なら　とうに聞き飽きた

(それをやさしさといってほだすならよけいばからしい)

それを優しさと言って絆すなら　余計馬鹿らしい

(いつわりないうつつならなんてきままだろう)

偽りないうつつなら　なんて気儘だろう

(ゆめのすきまにとうわたしはどこへといくの)

夢の隙間に問う　私は何処へと行くの

(くらいくらいやみのほうへふとめをむけるたびに)

暗い　暗い　闇の方へ　ふと目を向ける度に

(くだらないことばたちがこころをみたす)

下らない言葉達が心を満たす

(ゆめのとちゅうでめざめたならこのよるはいっそうにごってしまうだろう)

夢の途中で目覚めたなら　この夜は一層　濁ってしまうだろう

(ふれたゆびがほどけぬようにいまはただねがうままひびをすごしていたいだけ)

触れた指が解けぬように　今はただ願うまま　日々を過ごしていたいだけ

(それなのにあいまいなあたたかさであわいりそうにみいられてしまう)

それなのに曖昧な暖かさで　淡い理想に魅入られてしまう

(こころひとつはきだせないくせにみがってなわたしだ)

心ひとつ吐き出せないくせに　身勝手な私だ

(ゆめのそこでもがくのならこのよるをいっそくらってしまいたい)

夢の底でもがくのなら　この夜をいっそ　喰らってしまいたい

(あきれるほどにそばにいておろかでいいにどとないいまをいきていたいだけ)

呆れる程に傍にいて　愚かでいい二度と無い　今を生きていたいだけ

(それだけだ)

それだけ　だ