はなれるはなれる

(はるになるととおくへいき)

春になると遠くへ行き

(もとからないようにきえてった)

元からないように消えてった

(きみらがいないけしきに)

君らがいない景色に

(なれるように)

慣れるように

(はやあしであるくよ)

早足で歩くよ

(たてものがまたつぶれたから)

建物がまた潰れたから

(みえるようになったたてものや)

見えるようになった建物や

(えきまえまえまでなかったびる)

駅前、前までなかったビル

(のこされたまちはかわっていく)

残された町は変わっていく

(ぼくがすむところよりも)

僕が住むところよりも

(にしにあるひがしのきょうへいってしまった)

西にある東の京へ行ってしまった

(はなれるはなれる)

はなれる、はなれる

(このきせつに)

この季節に

(はなれるはなれる)

はなれる、はなれる

(いつまでだろう)

いつまでだろう

(とまどうとまどう)

戸惑う、戸惑う

(かわらないのはぼくだけみたいだな)

変わらないのは僕だけみたいだな

(はくものきるものがかわり)

履くもの、着るものが変わり

(きそくただしいせいかつになる)

規則正しい生活になる

(いろのないはるだったから)

色のない春だったから

(とかいのいろにそめられそうだ)

都会の色に染められそうだ

(あるいてもおわりがみえないや)

歩いても終わりが見えないや

(あのまちにかえりたくなってる)

あの町に帰りたくなってる

(あしでじめんをまわしてさ)

足で地面を回してさ

(ちきゅうでたまのりしてかえろう)

地球で玉乗りして帰ろう

(そうこうしてたらひがしずむ)

そうこうしてたら陽が沈む

(ひがしからにしへきょうがいってしまった)

東から西へ今日が行ってしまった

(はなれるはなれる)

はなれる、はなれる

(このきせつに)

この季節に

(はなれるはなれる)

はなれる、はなれる

(いつまでだろう)

いつまでだろう

(とまどうとまどう)

戸惑う、と惑う

(このままこどものままでいられるでしょうか)

このまま、子供のままでいられるでしょうか

(ひをまたいでつきをまたいで)

日をまたいで月をまたいで

(としだけくってこえた)

年だけ食って肥えた

(からだじゃそらはとべないけど)

身体じゃ空は飛べないけど

(ひをまたいでつきをまたいで)

日をまたいで月をまたいで

(すこしのてれをかくしながら)

少しの照れを隠しながら

(さいごにこのちきゅうすらまたいで)

最後にこの地球すらまたいで

(またあいにいこう)

また会いに行こう

(はなれるはなれる)

はなれるは、なれる

(このきせつに)

この季節に

(きづけばまたつぎの)

気づけばまた次の

(はるがくるよ)

春が来るよ

(はなれるはなれる)

はなれるは、なれる

(つかれたならたまにここにかえっておいでよ)

疲れたなら、たまにここに帰っておいでよ