赤い月

(すべてをみすかすあかいつき)

全てを見透かす赤い月

(こどくなひとみがまたいくつもとびかう)

孤独な瞳がまた幾つも飛び交う

(おかしなさだめにしばられ)

おかしな定めに縛られ

(やすらかなこころなどわすれた)

安らかな心など忘れた

(だれともうちとけられずに)

誰とも打ち解けられずに

(ひとりきりあてもなくさまよってきた)

一人きり当ても無く彷徨ってきた

(ああながれながれてたどりつく)

ああ　流れ流れて辿り着く

(かぜがふきやむばしょで)

風が吹き止む場所で

(ああかなしいかこをかくしながら)

ああ　悲しい過去を隠しながら

(いきてくだけ)

生きてくだけ

(すべてをみすかすあかいつき)

全てを見透かす赤い月

(こどくなひとみがまたいくつもとびかう)

孤独な瞳がまた幾つも飛び交う

(あかされたすがたにおののく)

明かされた姿に慄く

(ひとのむれにせをむけ)

人の群れに背を向け

(べつのみらいをさがせばいい)

別の未来を探せばいい

(いびつなわがみをおそれて)

歪なわが身を恐れて

(ひとはみなたちまちめをふせた)

人は皆忽ち目を伏せた

(しをつげるししゃにかさねて)

死を告げる使者に重ねて

(いてついたしせんのあめをふらせる)

凍て付いた視線の雨を降らせる

(ああめぐりめぐればあらわれる)

ああ　巡り巡れば現れる

(ほしになぐさめられて)

星に慰められて

(ああいやしいうそをくやみながら)

ああ　卑しい嘘を悔やみながら

(ほほえむだけ)

微笑むだけ

(すべてをのみこむくろいやみ)

全てを飲み込む黒い闇

(きおくのひかりがまだいくつもとびこむ)

記憶の光がまだ幾つも飛び込む

(はがされたまんとのうちがわ)

剥されたマントの内側

(ひとのそしりうけたら)

人の誹り受けたら

(まぼろしににげこめばいい)

幻に逃げ込めばいい

(ああながれながれてたどりつく)

ああ　流れ流れて辿り着く

(かぜがふきやむばしょで)

風が吹き止む場所で

(ああかなしいかこをかくしながら)

ああ　悲しい過去を隠しながら

(いきてくだけ)

生きてくだけ

(すべてをみつめるあおいほし)

全てを見つめる蒼い星

(わがみがあらわすのはわかたれたこたえ)

わが身が現すのは分かたれた答え

(すべてをみすかすあかいつき)

全てを見透かす赤い月

(こどくなひとみがまたいくつもとびかう)

孤独な瞳がまた幾つも飛び交う

(あかされたすがたにおののく)

明かされた姿に慄く

(ひとのむれにせをむけ)

人の群れに背を向け

(べつのみらいをさがせばいい)

別の未来を探せばいい