落陽

(しぼったばかりのゆうひのあかが)

しぼったばかりの夕日の赤が

(すいへいせんからもれている)

水平線からもれている

(とまこまいはつせんだいゆきふぇりー)

苫小牧発 仙台行きフェリー

(あのじいさんときたら)

あのじいさんときたら

(わざわざみおくってくれたよ)

わざわざ見送ってくれたよ

(おまけにてーぷをひろってね)

おまけにテープを拾ってね

(おんなのこみたいにさ)

女の子みたいにさ

(みやげにもらったさいころふたつ)

みやげにもらったサイコロふたつ

(てのなかでふれば)

手の中でふれば

(またふりだしにもどるたびに)

また振り出しに 戻る旅に

(ひがしずんでゆく)

陽が沈んでゆく

(おんなやさけよりさいころずきで)

女や酒よりサイコロ好きで

(すってんてんのあのじいさん)

すってんてんのあのじいさん

(あんたこそがしょうじきものさ)

あんたこそが正直者さ

(このくにときたら)

この国ときたら

(かけるものなどないさ)

賭けるものなどないさ

(だからこうしてただようだけ)

だからこうして 漂うだけ

(みやげにもらったさいころふたつ)

みやげにもらったサイコロふたつ

(てのなかでふれば)

手の中でふれば

(またふりだしにもどるたびに)

また振り出しに 戻る旅に

(ひがしずんでゆく)

陽が沈んでゆく

(さいころころがしありがねなくし)

サイコロころがし あり金なくし

(ふーてんぐらしのあのじいさん)

フーテン暮らしのあのじいさん

(どこかであおういきていてくれ)

どこかで会おう 生きていてくれ

(ろくでなしのおとこたち)

ろくでなしの男たち

(みをもちくずしてしまった)

身を持ちくずしてしまった

(おとこのはなしをきかせてよ)

男の話を聞かせてよ

(さいころころがして)

サイコロころがして

(みやげにもらったさいころふたつ)

みやげにもらったサイコロふたつ

(てのなかでふれば)

手の中でふれば

(またふりだしにもどるたびに)

また振り出しに 戻る旅に

(ひがしずんでゆく)

陽が沈んでゆく

(もどるたびにひがしずんでゆく)

戻る旅に 陽が沈んでゆく