ダリア

(あるあさねぼうしてあわててへやをとびだし)

ある朝寝坊して　あわてて部屋を飛び出し

(ねくたいうまくむすべずねぐせついたまま)

ネクタイ上手く結べず　寝癖ついたまま

(きょうはよくはれたひだそらがあおいなんて)

今日はよく晴れた日だ　空が青い　なんて

(じかんわすれいつものくせで)

時間忘れ　いつものクセで

(おりたつにわで)

降り立つ庭で

(さきほこるだりあのはなはぼくのせをかるくおいこし)

咲き誇るダリアの花は　僕の背を軽く追い越し

(みあげればいろあざやかにながれだすめろでぃ)

見上げれば色鮮やかに　流れ出すメロディ

(からだごとたおれやすくてたいせつにささえることが)

体ごと倒れやすくて　大切に支えることが

(ひつようなはなだったのにこんなにきれいにさくから)

必要な花だったのに　こんなに綺麗に咲くから

(おもえばあのころはまだなにもわからなくて)

思えばあの頃は　まだ何もわからなくて

(なんだかはやるこころをただもてあました)

なんだか　はやる心をただもてあました

(いそぐえきのとちゅうでふいにたちどまった)

急ぐ駅の途中で　不意に立ち止まった

(はじめてみるしらないけしきそらはあおくて)

初めて見る知らない景色　空は青くて

(まるでいまきみはだりあのはなのようにこころうばって)

まるで今君はダリアの　花のように心奪って

(めのまえをかけぬけてゆくいっしゅんのめろでぃ)

目の前を駆け抜けてゆく　一瞬のメロディ

(あしたまたあえるとしたらこのじかんわすれないよう)

明日また会えるとしたら　この時間忘れないよう

(すこしだけおそめのあさででかけるかみをとかして)

少しだけ遅めの朝で出かける　髪をとかして

(そういえばだりあのはなのはなことばしらないけれど)

そういえばダリアの花の　花言葉知らないけれど

(きょうはもうねむりについてあすをゆめみよう)

今日はもう眠りについて　明日を夢見よう

(さきほこるきみはだりあいつまでもきれいなままで)

咲き誇る君はダリア　いつまでも綺麗なままで

(しょうねんのこころにさいてちらないとどかないばしょで)

少年の心に咲いて散らない　届かない場所で