脱獄

(ほのぐらいじょうへきでとうたした)

仄暗い城壁で淘汰した

(がすくさいこのまちにうまれて)

ガス臭いこの街に生まれて

(ぼくらまだそうげんのいろもしらない)

僕らまだ草原の色も知らない

(ここでずっとすくいをまってても)

ここでずっと救いを待ってても

(ものぽりーがうまくなるだけさ)

モノポリーが上手くなるだけさ

(きみはそうわらっていた)

君はそう笑っていた

(ぐんしゅうのひめいひびくじゅうせい)

群衆の悲鳴響く銃声

(なにをいのちというんだろう)

何を命と言うんだろう

(しろいいきまじりきみはつぶやいた)

白い息混じり君は呟いた

(「にげよう」)

「逃げよう」

(あのころぼくらゆめをみていたんだ)

あの頃僕ら夢を見ていたんだ

(このおりのさきにはぬくもりと)

この檻の先には温もりと

(あいがきっとあるんだ)

愛がきっとあるんだ

(とじたまどのむこうへとんでいく)

閉じた窓の向こうへ飛んでいく

(ゆめをみるのもなんかいめだったっけ)

夢を見るのも何回目だったっけ

(はるかとおいおもいでのはなし)

遥か遠い思い出の話

(きみがじまんげにみせてくれた)

君が自慢気に見せてくれた

(ばかみたいなせっけいず)

馬鹿みたいな設計図

(こどものくうそう)

子供の空想

(そしててまねくきみにつられ)

そして手招く君に釣られ

(たったいまめのまえにあるのが)

たった今目の前にあるのが

(あのひのひこうせんだ)

あの日の飛行船だ

(とおざかるぶざーさわぐけいかん)

遠ざかるブザー騒ぐ警官

(はっぽうのあいずがとぶわずかなすきま)

発砲の合図が飛ぶ僅かな隙間

(くちたてんじょうをぬけた)

朽ちた天井を抜けた

(あのころぼくらゆめをかたっていた)

あの頃僕ら夢を語っていた

(このおりのうえからごみのような)

この檻の上からゴミの様な

(としをみおろすんだ)

都市を見下ろすんだ

(さびたすろっとるほねがおれるくらいに)

錆びたスロットル骨が折れるくらいに

(めいっぱいおしこんでいま)

目一杯押し込んで今

(げんじつをとっぱしよう)

現実を突破しよう

(けいこくのさいんふめいなそいん)

警告のサイン不明な素因

(とまらぬえらーらんぷに)

止まらぬエラーランプに

(かおいろかえずこうどあげてきみは)

顔色変えず高度上げて君は

(わらう)

笑う

(えんじんがひーとして)

エンジンがヒートして

(きたいがどうしたって)

機体がどうしたって

(きにもしないほどにとりっぷしてしまう)

気にもしない程にトリップしてしまう

(おおぞらはいだいさ)

大空は偉大さ

(みごとどっかにふきとんでしまったって)

身ごとどっかに吹き飛んでしまったって

(これはこれでもう)

これはこれでもう

(いいんだっておもっている)

いいんだって思っている