誰かの願いが叶うころ【宇多田ヒカル】

(ちいさなことでだいじなものをうしなった)

小さなことで大事なものを失った

(つめたいゆびわがわたしにひかってみせた)

冷たい指輪が私に光ってみせた

(「いまさえあればいい」といったけど)

「今さえあればいい」と言ったけど

(そうじゃなかった)

そうじゃなかった

(あなたへつづくどあがおともなくきえた)

あなたへ続くドアが音もなく消えた

(あなたのしあわせねがうほどわがままがふえてくよ)

あなたの幸せ願うほどわがままが増えてくよ

(それでもあなたをひきとめたい)

それでもあなたを引き止めたい

(いつだってそう)

いつだってそう

(だれかのねがいがかなうころあのこがないてるよ)

誰かの願いが叶うころあの子が泣いてるよ

(そのままとびらのおとはならない)

そのまま扉の音は鳴らない

(みんなにひつようとされるきみを)

みんなに必要とされる君を

(いやせるたったひとりに)

癒せるたった一人に

(なりたくてすこしがまんしすぎたな)

なりたくて少し我慢し過ぎたな

(じぶんのしあわせねがうこと)

自分の幸せ願うこと

(わがままではないでしょ)

わがままではないでしょ

(それならあなたをだきよせたい)

それならあなたを抱き寄せたい

(できるだけぎゅっと)

できるだけぎゅっと

(わたしのなみだがかわくころ)

私の涙が乾くころ

(あのこがないてるよ)

あの子が泣いてるよ

(このままぼくらのじめんはかわかない)

このまま僕らの地面は乾かない

(あなたのしあわせねがうほどわがままがふえてくよ)

あなたの幸せ願うほどわがままが増えてくよ

(あなたはわたしをひきとめない)

あなたは私を引き止めない

(いつだってそう)

いつだってそう

(だれかのねがいがかなうころあのこがないてるよ)

誰かの願いが叶うころあの子が泣いてるよ

(みんなのねがいはどうじにはかなわない)

みんなの願いは同時には叶わない

(ちいさなちきゅうがまわるほどやさしさがみにつくよ)

小さな地球が回るほど優しさが身に付くよ

(もういちどあなたをだきしめたい)

もう一度あなたを抱き締めたい

(できるだけそっと)

できるだけそっと