夏休みは終わらない

(はしるばすのまどから)

走るバスの窓から

(きみはみをのりだし)

君は身を乗り出し

(ずっとてをふりながら)

ずっと手を振りながら

(なにかさけびつづける)

何か叫び続ける

(きみのむぎわらぼうし)

君の麦わらぼうし

(かぜにさらわれても)

風にさらわれても

(きっとぼくのこころは)

きっと僕の心は

(おわらないなつやすみ)

終わらない夏休み

(うみをだきしめたにしむきのへや)

海を抱きしめた西向きの部屋

(すこしこわれかけていた)

少しこわれかけていた

(せんぷうき)

扇風機

(あかいうぉーたーめろん)

赤いウォーターメロン

(ほおばりながら)

ほおばりながら

(あついどりるをかたづけた)

厚いドリルを片づけた

(きみとふたりでとった)

君と2人で撮った

(しゃしんしおりにして)

写真 しおりにして

(にっきかきかけのまま)

日記 書きかけのまま

(おわらないなつやすみ)

終わらない夏休み

(とおいせみのなきごえ)

遠い蝉の鳴き声

(しおがひくみたいに)

潮が引くみたいに

(はやいたそがれきても)

早い 黄昏来ても

(おわらないなつやすみ)

終わらない夏休み

(いりえのちかくのひみつのばしょで)

入江の近くの秘密の場所で

(しかられているはなびをためしたね)

叱られている花火を試したね

(まっちするたびに)

マッチするたびに

(きみのよこがお)

君の横顔

(おとなになっていくようで)

大人になっていくようで

(こいはまるで)

恋は まるで

(わすれられたぱらそるみたい)

忘れられたパラソルみたい

(ふるいらじおではつぎのたいふう)

古いラジオでは 次の台風

(ほくじょうするとつたえてた)

北上すると 伝えてた

(ばすがみえなくなって)

バスが見えなくなって

(きみのなまえよべば)

君の名前 呼べば

(なぜかわからないけど)

なぜか わからないけど

(ほおにつめたいしずく)

頬に冷たい雫

(きみがまちにかえって)

君が街に帰って

(あきがちかづいても)

秋が近づいても

(いまもぼくのこころは)

今も僕の心は

(おわらないなつやすみ)

終わらない夏休み

(おわらないなつやすみ)

終わらない夏休み

(おわらないなつやすみ)

終わらない夏休み