深淵のデカダンス

(さあようこそきょうらくのらびりんす)

さあようこそ 享楽の迷宮(ラビリンス)

(じょうとよくのきりのはて)

情と欲の霧の果て

(いざなうはむせるようにあまい)

誘(いざ)なうは 噎せるように甘い

(たいはいのさいはて)

退廃の最果て

(たとえばうけいれがたいひびにないても)

例えば 受け容れ難い日々に啼いても

(ならくのそこをのぞきみれば)

奈落の底を覗きみれば

(だらくもそあくもしってしまえばかいらく)

堕落も 粗悪も 識(し)ってしまえば快楽

(ただかんろのうずにのまれて)

ただ甘露の 渦に呑まれて

(これはばつ？それともろく？)

此れは罰？ 其れとも禄(ろく)？

(ぐにもつかないもんどう)

愚にもつかない問答

(ひとときのゆめならそのみをなげて)

ひと時の夢なら その身を投げて

(おくのおくのおくまでえぐって)

奥の奥の奥まで抉って

(めもくらむとけるようにあつい)

目も眩む 融けるように熱い

(せんどうのなれのはて)

扇動の馴れの果て

(あざなうはよごとにささやく)

糾(あざな)うは 夜毎に囁く

(こうつごうなざれごと)

好都合な戯言

(まいおどるものがたりのすじがきから)

舞い踊る 物語の筋書きから

(ぜんえいのふちにたどりつけば)

前衛の淵に辿り着けば

(ひくつもぐまいもせんじつめればかいらく)

卑屈も 愚昧(ぐまい)も 煎じ詰めれば快楽

(もうひたすらたゆたいましょう)

もう只管(ひたすら) 揺蕩(たゆた)いましょう

(あれもなくこれもなくながされてゆくいんが)

彼(あ)れもなく 此れも無く 流されて行く因果

(それもここでおしまい)

其れも此処でお終い

(さらってうばってしばってあやめて)

攫って 奪って 縛って 殺(あや)めて

(からだもこころもそのいのちさえとして)

身体も 心も 其の命さえ賭(と)して

(ああくだらないぐにもつかない)

嗚呼下らない 愚にもつかない

(それはなに？それはあい？へどがでそうなせいぎ)

其れは何？ 其れは愛？ 反吐が出そうな正義

(こんらんのさなかむけんにはじかれて)

混乱の最中(さなか) 無間(むけん)に弾かれて…

(ふらちもかぎゃくもとろけるようなかいらく)

不埒も 加虐も 蕩(とろ)けるような快楽

(ほらただれたいろにまみれて)

ほら爛(ただ)れた色に塗(まみ)れて

(それはあいおぼれるあいかんせいのままやつして)

其れは愛 溺れる愛 感性の儘(まま)窶(やつ)して

(けんらんのとびらでかこってしまいたい)

絢爛の扉で囲って仕舞いたい

(それがあしきゆめだってかなえて)

其れが悪しき夢だって 叶えて…