青いルビー 7

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投稿者投稿者大樹野いいね4お気に入り登録
プレイ回数3494難易度(5.0) 4440打 長文
【シャーロック・ホームズの冒険】より
長文なので、読書感覚でお楽しみください
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ねね 4270 C+ 4.3 97.6% 1016.6 4449 108 78 2024/03/06

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問題文

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(「おまえもおまえのがちょうもたくさんだ」てんいんはさけんだ。)

「お前もお前のガチョウも沢山だ」店員は叫んだ。

(「おまえらみないっしょにあくまのところにいってくれ。もしこれいじょうおまえらが)

「お前ら皆一緒に悪魔のところに行ってくれ。もしこれ以上お前らが

(くだらないはなしでつきまとうなら、いぬをけしかけるぞ。おーくしょっとさんを)

下らない話で付きまとうなら、犬をけしかけるぞ。オークショットさんを

(ここにつれてきたらほんにんにこたえる。しかしおまえにはかんけいないだろう?)

ここに連れてきたら本人に答える。しかしお前には関係ないだろう?

(おれがおまえからがちょうをかったか?」「いいえ、いずれにしても)

俺がお前からガチョウを買ったか?」「いいえ、いずれにしても

(そのいちわはわたしのものだったんです」ちいさなおとこはなきごとをいった。)

その一羽は私のものだったんです」小さな男は泣き言を言った。

(「そうか、それなら、おーくしょっとふじんにたのむんだな」)

「そうか、それなら、オークショット夫人に頼むんだな」

(「かのじょはあなたにきくようにと」「それなら、ぷろしゃのおうにでもききな、)

「彼女はあなたに聞くようにと」「それなら、プロシャの王にでも聞きな、

(おれのしったことじゃない。もうじゅうぶんだ。ここからでていけ!」)

俺の知ったことじゃない。もう十分だ。ここから出て行け!」

(てんいんがあらあらしくとっしんしてきたので、たずねびとはくらやみににげさった。)

店員が荒々しく突進してきたので、尋ね人は暗闇に逃げ去った。

(「は、これはぶりくすとんろーどにいくてまがはぶけるかもしれんな」)

「ハ、これはブリクストンロードに行く手間が省けるかもしれんな」

(ほーむずはつぶやいた。「いっしょにきてくれ、このおとこのもくてきをみてみよう」)

ホームズはつぶやいた。「一緒に来てくれ、この男の目的を見てみよう」

(ぎらぎらとかがやくろてんのまわりにあつまってたむろしているひとびとをいそぎあしで)

ギラギラと輝く露天の周りに集まってたむろしている人々を急ぎ足で

(すりぬけてほーむずはちいさなおとこにすばやくおいつき、かれのかたにふれた。)

すり抜けてホームズは小さな男に素早く追いつき、彼の肩に触れた。

(おとこはおどろいてふりむいた。わたしはがすとうのひかりのなかで、)

男は驚いて振り向いた。私はガス灯の光の中で、

(かれががんめんそうはくになっているのをみることができた。)

彼が顔面蒼白になっているのを見ることができた。

(「あなたはだれですか?なにかようですか?」おとこはふるえるこえできいた。)

「あなたは誰ですか?何か用ですか?」男は震える声で訊いた。

(「もうしわけないですが」ほーむずはやわらかくいった。「しかし、)

「申し訳ないですが」ホームズは柔らかく言った。「しかし、

(さっきあなたがてんいんにたずねていたしつもんをふとみみにしたものですから。)

さっきあなたが店員に尋ねていた質問をふと耳にしたものですから。

(わたしはあなたのおやくにたてるかもしれないとおもっています」)

私はあなたのお役に立てるかもしれないと思っています」

など

(「あなたが?あなたはどなたですか?どうしてこのはなしをしっているのですか」)

「あなたが?あなたはどなたですか?どうしてこの話を知っているのですか」

(「わたしはしゃーろっくほーむずです。ほかのひとがしらないことをしるのがわたしの)

「私はシャーロックホームズです。他の人が知らないことを知るのが私の

(しごとでしてね」「しかし、このけんについてなにもしるはずがないでしょう?」)

仕事でしてね」「しかし、この件について何も知るはずがないでしょう?」

(「もうしわけないですが、すべてしっています。あなたはなんわかのがちょうのあとを)

「申し訳ないですが、全て知っています。あなたは何羽かのガチョウの後を

(おおうとどりょくしていますね。それはぶりくすとんろーどの)

追おうと努力していますね。それはブリクストンロードの

(おーくしょっとふじんからうられ、ぶれっきんぶりっじというなまえのしょうにんへ、)

オークショット夫人から売られ、ブレッキンブリッジという名前の商人へ、

(そこからあるふぁのうぃんでぃげいとしにてんばいされ、)

そこからアルファのウィンディゲイト氏に転売され、

(かれからくらぶのめんばーのへんりー・べーかーしにはんばいされました」)

彼からクラブのメンバーのヘンリー・ベーカー氏に販売されました」

(「ああ、あなたはわたしがあいたいとおもっていたまさにそのひとだ」)

「ああ、あなたは私が会いたいと思っていたまさにその人だ」

(ちいさなおとこはりょうてをのばしてゆびさきをふるわせてさけんだ。「わたしがこのいっけんに)

小さな男は両手を伸ばして指先を震わせて叫んだ。「私がこの一件に

(どれほどきょうみをもっているか、ほとんどせつめいすることもできません」)

どれほど興味を持っているか、ほとんど説明することもできません」

(しゃーろっくほーむずはとおりすぎようとするよんりんばしゃをよびとめた。)

シャーロックホームズは通り過ぎようとする四輪馬車を呼び止めた。

(「それでしたらかぜがふきすさぶいちばではなく、)

「それでしたら風が吹きすさぶ市場ではなく、

(ここちよいへやのなかではなしあったほうがいいようです」ほーむずはいった。)

心地よい部屋の中で話し合った方が良いようです」ホームズは言った。

(「しかしさきにすすむまえに、おなまえをおきかせいただけませんか」)

「しかし先に進む前に、お名前をお聞かせいただけませんか」

(おとこはいっしゅんためらった。「わたしはじょん・ろびんそんです」)

男は一瞬ためらった。「私はジョン・ロビンソンです」

(かれはちらっとよこめでみながらこたえた。)

彼はちらっと横目で見ながら答えた。

(「いや、いや、ほんみょうですよ」ほーむずはやさしくいった。)

「いや、いや、本名ですよ」ホームズは優しく言った。

(「ぎめいではなにかとふつごうがあるものですからね」)

「偽名では何かと不都合があるものですからね」

(おとこのほおがぱっとあかくなった。「まあ、そうですね、」かれはいった。)

男の頬がパッと赤くなった。「まあ、そうですね、」彼は言った。

(「わたしのほんみょうはじぇーむず・らいだーです」)

「私の本名はジェームズ・ライダーです」

(「そうでしょうとも。こすもぽりたんほてるのせっきゃくがかりしゅにんですね。ばしゃに)

「そうでしょうとも。コスモポリタンホテルの接客係主任ですね。馬車に

(おはいりください。すぐにあなたがしりたいことはすべておはなしできるでしょう」)

お入り下さい。すぐにあなたが知りたいことは全てお話できるでしょう」

(ちいさなおとこははんぶんきょうふ、はんぶんきぼうにみちためで、われわれふたりをこうごに)

小さな男は半分恐怖、半分希望に満ちた目で、我々二人を交互に

(みながらつったっていた。じぶんがとつぜんのこううんとはめつのどちらのきょうかいにいるのか)

見ながら突っ立っていた。自分が突然の幸運と破滅のどちらの境界にいるのか

(きめかねているようだった。それかららいだーはばしゃにのり、30ふんご、)

決めかねているようだった。それからライダーは馬車に乗り、30分後、

(われわれはべーかーがいのいまにもどった。ばしゃのなかではだれもくちをきかなかったが、)

我々はベーカー街の居間に戻った。馬車の中では誰も口をきかなかったが、

(かんだかくよわよわしいおとこのいきづかいだけがきこえていた。そしてりょうてをにぎったり)

甲高く弱々しい男の息遣いだけが聞こえていた。そして両手を握ったり

(はなしたりするしぐさが、らいだーのたかぶったしんけいをものがたっていた。)

離したりする仕草が、ライダーの高ぶった神経を物語っていた。

(「さあついた!」ほーむずはさんにんがじゅんにへやにはいるとき、あかるくいった。)

「さあ着いた!」ホームズは三人が順に部屋に入る時、明るく言った。

(「このてんきにはだんろにかぎりますよ。さむそうですね、らいだーさん。)

「この天気には暖炉に限りますよ。寒そうですね、ライダーさん。

(そのとういすにおすわりください。わたしはあなたのようけんにとりかかるまえに、)

その籐椅子にお座り下さい。私はあなたの用件に取り掛かる前に、

(ちょっとしつないばきにはきかえます。さてそれでは、あの24わの)

ちょっと室内履きに履き替えます。さてそれでは、あの24羽の

(がちょうがどうなったかをしりたいのでしたね?」「そうです」)

ガチョウがどうなったかを知りたいのでしたね?」「そうです」

(「というよりも、わたしのかんがえでは、がちょうはいちわではないですかな。)

「というよりも、私の考えでは、ガチョウは一羽ではないですかな。

(もしかして、あなたがきょうみをもっているそのいちわのがちょうは、)

もしかして、あなたが興味を持っているその一羽のガチョウは、

(しろくておばねにくろのしまがあるものではないですか」)

白くて尾羽に黒の縞があるものではないですか」

(らいだーはこうふんにふるえた。「ああ」かれはさけんだ。)

ライダーは興奮に震えた。「ああ」彼は叫んだ。

(「それがどこにいったかおしえていただけますか?」)

「それがどこに行ったか教えていただけますか?」

(「ここにきた」「ここに?」)

「ここに来た」「ここに?」

(「そうだ。そしてひじょうにかわったとりだとわかった。)

「そうだ。そして非常に変った鳥だと分かった。

(きみがきょうみをもつのもふしぎではない。それはしんでからたまごをうんだ。)

君が興味を持つのも不思議ではない。それは死んでから卵を産んだ。

(みたこともないくらいうつくしくかがやくちいさなあおいたまごをだ。)

見たこともないくらい美しく輝く小さな青い卵をだ。

(ぼくはそれをこのはくぶつかんにしゅうのうしている」)

僕はそれをこの博物館に収納している」

(ほうもんしゃはふらふらとたちあがり、みぎてでまんとるぴーすをにぎった。)

訪問者はふらふらと立ち上がり、右手でマントルピースを握った。

(ほーむずはきんこのかぎをあけ、ぶるーかーばんくるをとりあげた。)

ホームズは金庫の鍵を開け、ブルーカーバンクルを取り上げた。

(それはほしのようにかがやいており、つめたくひかりかがやくたくさんのこうてんをはなっていた。)

それは星のように輝いており、冷たく光り輝く沢山の光点を放っていた。

(らいだーはひきつったかおでたったままみていた。)

ライダーは引きつった顔で立ったまま見ていた。

(それをじぶんのものだといおうか、そうでないとしゅちょうしようかきめられないまま。)

それを自分の物だと言おうか、そうでないと主張しようか決められないまま。

(「あそびはおわりだ、らいだー」ほーむずはしずかにいった。)

「遊びは終わりだ、ライダー」ホームズは静かに言った。

(「しっかりしろ、おい、だんろのなかにたおれるぞ。)

「しっかりしろ、おい、暖炉の中に倒れるぞ。

(いすにもどるのにてをかしてやってくれ、わとそん。)

椅子に戻るのに手を貸してやってくれ、ワトソン。

(こんなたいざいをおかしてにげきれるほどきもがすわったやつではない。)

こんな大罪を犯して逃げ切れるほど肝が据わった奴ではない。

(ひとくちぶらんでーをのませてやってくれ。)

一口ブランデーを飲ませてやってくれ。

(さあ、ちょっとはひとごこちがついただろう。なんてちっぽけなやろうだ!」)

さあ、ちょっとは人心地がついただろう。なんてちっぽけな野郎だ!」

(いっしゅん、かれはよろめいてほとんどたおれるすんぜんだった。)

一瞬、彼はよろめいてほとんど倒れる寸前だった。

(しかしぶらんでーでらいだーのほおにあかみがさし、)

しかしブランデーでライダーの頬に赤みが差し、

(すわったまま、おびえきっためでほーむずをみつめた。)

座ったまま、怯えきった目でホームズを見つめた。

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