シング＝ライカマジク

(うけとったひをおぼえているかい)

受け取った日を覚えているかい

(あてなのかすれたふるいうたを)

宛名の掠れた旧い詩を

(あたたかなひにしゅくふくされて)

暖かな灯に祝福されて

(うまれたそのことばを)

生まれたその詞を

(さびたいしはていとうにとられ)

錆びた『意思』は抵当に取られ

(きょうおくるおもいはりょうきんぶそく)

今日送る『想い』は料金不足

(もうせきのひどいゆめも)

もう咳のひどい『夢』も

(あしのおれたゆうきも)

脚の折れた『勇気』も

(びょうしつのかべをみている)

病室の壁を見ている

(きかせておくれよ)

聞かせておくれよ

(あんまりじゃないか)

あんまりじゃないか

(いのちのなまえにかなでためろでぃを)

生命の名前に奏でた人生を

(さあ)

さぁ！

(うたおううたおうまほうのように)

歌おう　歌おう　魔法のように

(しょぼくれたあしたがはにかむくらい)

しょぼくれた明日がはにかむくらい

(うたおうなみだでさとうのような)

歌おう　涙で　砂糖のような

(あまくしろいきぼうとかさぬように)

甘く白い『希望』　溶かさぬように

(ああつみぶかきあいのしらべ)

嗚呼　罪深き『愛』の調べ

(もとめるほどきえていくにげみず)

求めるほど消えて逝く逃げ水

(もうふでをおったえかきも)

もう筆を折った絵描きも

(ちずをやいたたびびとも)

地図を焼いた旅人も

(いたみどめはてばなせない)

痛み止めは手放せない

(きずにしみるのはしんじていたいから)

傷に沁みるのは信じていたいから

(じぶんのかちをだれかを)

自分の『価値』を　誰かを

(せかいのうつくしさを)

世界の美しさを

(さあうたを)

さぁ！詩を

(うたおううたおうまほうのように)

歌おう　歌おう　魔法のように

(くたびれたまごころすうぃんぐさせて)

くたびれた『真心』　スウィングさせて

(うたおういまのほのおがきえて)

歌おう　イマの　炎が消えて

(ろうそくみたいにかたまるまえに)

ローソクみたいに固まる前に

(うたっておくれよそんなかおしないで)

歌って　おくれよ　そんな顔しないで

(このふざけたせかいをわらいとばそう)

このふざけた　セカイを　笑い飛ばそう

(いきかうしらないかおがくちずさむのは)

行き交う知らない顔が口ずさむのは

(ひとりじゃこころぼそいから)

一人じゃ心細いから

(ふたりじゃさびしいから)

二人じゃ寂しいから

(そのだれもがじんせいを)

その誰もが人生を

(うたっている)

謳っている