Candle tower

(くちをあけてみあげたでぐちりんぷんをすいこんでむせる)

口を開けて見上げた出口　鱗粉を吸い込んで噎せる

(まるでよるのひょうほんみたいなあさ)

まるで夜の標本みたいな朝

(やぎのむれのつらなりのなかふあんそうにわらってふしめ)

山羊の群れの連なりの中　不安そうに笑って伏し目

(くものはがたおうとつをぬってく)

雲の歯形凹凸を縫ってく

(かぜのふくかいがんぞいかすみたつてんぼうだい)

風の吹く海岸沿い　霞立つ展望台

(ながれだすゆうらんせん)

流れ出す遊覧船

(ぼくらのひとみはつくりものだから)

僕らの瞳は作りものだから

(ほんとうのいろはだれもしらない)

本当の色は誰も知らない

(ろうでかためたらせんかいだんかみのいぬまにさいじょうかいまで)

蝋で固めた螺旋階段　神の居ぬ間に最上階まで

(きみののぞみかなえるためならば)

君の望み叶える為ならば

(すなのつぶをかみくだくおととつぜんくちごもってふしめ)

砂の粒を噛み砕く音　突然口ごもって伏し目

(かぜがやめばそのせなかをおすはずだったのに)

風が止めばその背中を　押すはずだったのに

(てりつけるすいぎんとうとろけだすてんぼうだい)

照りつける水銀灯　蕩け出す展望台

(にらみかえせさあ)

睨み返せ　さあ

(こわしたくなるようつくしすぎて)

壊したくなるよ　美しすぎて

(きみのひとみじゃよるはあけない)

君の瞳じゃ夜は明けない

(てんしのわもした)

天使の輪模した

(れんずふれあうかぶ)

レンズフレア浮かぶ

(ちいさなくろかみのうえ)

小さな黒髪の上

(ぼくらのひかりはつくりものだから)

僕らの光は作りものだから

(めをとじてさけぶ)

瞳を閉じて叫ぶ

(とうぜんのようにまたいんぼうのえのぐをかぶった)

当然のようにまた　陰謀の絵の具を被った

(りんかくをてばなすのはおそろしい)

輪郭を手放すのは恐ろしい

(ぼくはきみになれない)

僕は君になれない

(きみのめになっていきていくからああ)

君の目になって生きて行くから　嗚呼

(にごりつづける)

濁り続ける