坊ちゃん⑻

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プレイ回数1657難易度(4.2) 2261打 長文 かな
夏目漱石の坊ちゃん⑻です。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 4218 C 4.4 95.2% 506.4 2249 113 44 2024/04/12

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問題文

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(ぶうといってきせんがとまると、はしけがきしをはなれて、こぎよせてきた。)

ぶうと云って汽船がとまると、艀が岸を離れて、漕ぎ寄せて来た。

(せんどうはまっぱだかにあかふんどしをしめている。やばんなところだ。)

船頭は真っ裸に赤ふんどしをしめている。野蛮な所だ。

(もっともこのあつさではきものはきられまい。)

もっともこの熱さでは着物はきられまい。

(ひがつよいのでみずがやにひかる。みつめていてもめがくらむ。)

日が強いので水がやに光る。見つめていても眼がくらむ。

(じむいんにきいてみるとおれはここへおりるのだそうだ。)

事務員に聞いてみるとおれはここへ降りるのだそうだ。

(みるところではおおもりぐらいなぎょそんだ。)

見るところでは大森ぐらいな漁村だ。

(ひとをばかにしていらあ、こんなところにがまんができるものかとおもったがしかたがない。)

人を馬鹿にしていらあ、こんな所に我慢が出来るものかと思ったが仕方がない。

(いせいよくいちばんにとびこんだ。つづいてごろくにんはのったろう。)

威勢よく一番に飛び込んだ。続づいて五六人は乗ったろう。

(そとにおおきなはこをよっつばかりつみこんであかふんはきしへこぎもどしてきた。)

外に大きな箱を四つばかり積み込んで赤ふんは岸へ漕ぎ戻して来た。

(おかへついたときも、いのいちばんにとびあがって、)

陸へ着いた時も、いの一番に飛び上がって、

(いきなり、いそにたっていたはなたれこぞうをつらまえてちゅうがっこうはどこだときいた。)

いきなり、磯に立っていた鼻たれ小僧をつらまえて中学校はどこだと聞いた。

(こぞうはぼんやりして、しらんがの、といった。)

小僧はぼんやりして、知らんがの、と云った。

(きのきかぬいなかものだ。)

気の利かぬ田舎ものだ。

(ねこのひたいほどなちょうないのくせに、ちゅうがっこうのありかもしらぬやつがあるものか。)

猫の額ほどな町内の癖に、中学校のありかも知らぬ奴があるものか。

(ところへみょうなつつっぽうをきたおとこがきて、)

ところへ妙な筒っぽうを着た男がきて、

(こっちへこいというから、ついていったら、みなとやとかいうやどやへつれてきた。)

こっちへ来いと云うから、尾いて行ったら、港屋とか云う宿屋へ連れて来た。

(やなおんながこえをそろえておあがりなさいというので、あがるのがいやになった。)

やな女が声を揃えてお上がりなさいと云うので、上がるのがいやになった。

(かどぐちへたったなりちゅうがっこうをおしえろといったら、)

門口へ立ったなり中学校を教えろと云ったら、

(ちゅうがっこうはこれからきしゃでにりばかりいかなくっちゃいけないときいて、)

中学校はこれから汽車で二里ばかり行かなくっちゃいけないと聞いて、

(なおあがるのがいやになった。)

なお上がるのがいやになった。

など

(おれは、つつっぽうをきたおとこから、おれのかばんをふたつひきたくって、)

おれは、筒っぽうを着た男から、おれの革鞄を二つ引きたくって、

(のそのそあるきだした。やどやのものはへんなかおをしていた。)

のそのそあるき出した。宿屋のものは変な顔をしていた。

(ていしゃじょうはすぐしれた。きっぷもわけなくかった。)

停車場はすぐ知れた。切符も訳なく買った。

(のりこんでみるとまっちばこのようなきしゃだ。)

乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ。

(ごろごろとごふんばかりうごいたとおもったら、もうおりなければならない。)

ごろごろと五分ばかり動いたと思ったら、もう降りなければならない。

(どうりできっぷがやすいとおもった。たったさんせんである。)

道理で切符が安いと思った。たった三銭である。

(それからくるまをやとって、ちゅうがっこうへきたら、もうほうかごでだれもいない。)

それから車を傭って、中学校へ来たら、もう放課後で誰も居ない。

(しゅくちょくはちょっとようたしにでたとこづかいがおしえた。)

宿直はちょっと用達に出たと小使が教えた。

(ずいぶんきらくなしゅくちょくがいるものだ。)

随分気楽な宿直がいるものだ。

(こうちょうでもたずねようかとおもったが、くたびれたから、)

校長でも尋ねようかと思ったが、草臥れたから、

(くるまにのってやどやへつれていけとしゃふにいいつけた。)

車に乗って宿屋へ連れて行けと車夫に云い付けた。

(しゃふはいせいよくやましろやといううちへよこづけにした。)

車夫は威勢よく山城屋と云ううちへ横付けにした。

(やましろやとはしちやのかんたろうのやごうとおなじだからちょっとおもしろくおもった。)

山城屋とは質屋の勘太郎の屋号と同じだからちょっと面白く思った。

(なんだかにかいのはしごだんのしたのくらいへやへあんないした。あつくっていられやしない。)

何だか二階の楷子段の下の暗い部屋へ案内した。熱くって居られやしない。

(こんなへやはいやだといったらあいにくみんなふさがっておりますから)

こんな部屋はいやだと云ったらあいにくみんな塞がっておりますから

(といいながらかばんをほりだしたままでていった。)

と云いながら革鞄を抛り出したまま出て行った。

(しかたがないからへやのなかへはいってあせをかいてがまんしていた。)

仕方がないから部屋の中へはいって汗をかいて我慢していた。

(やがてゆにはいれというから、ざぶりととびこんで、すぐあがった。)

やがて湯に入れと云うから、ざぶりと飛び込んで、すぐ上がった。

(かえりがけにのぞいてみるとすずしそうなへやがたくさんあいている。)

帰りがけに覗いてみると涼しそうな部屋がたくさん空いている。

(しっけいなやつだ。うそをつきゃあがった。)

失敬な奴だ。嘘をつきゃあがった。

(それからげじょがぜんをもってきた。)

それから下女が膳を持って来た。

(へやはあつかったが、めしはげしゅくのよりもだいぶうまかった。)

部屋は熱かったが、飯は下宿のよりも大分旨かった。

(きゅうじをしながらげじょがどちらからおいでになりましたときくから、)

給仕をしながら下女がどちらからおいでになりましたと聞くから、

(とうきょうからきたとこたえた。)

東京から来たと答えた。

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