羅生門

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芥川龍之介
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1 subaru 7271 7.5 95.9% 219.2 1665 71 31 2024/03/25
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問題文

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(あるひのくれがたのことである。ひとりのげにんが、らしょうもんのしたであまやみをまっていた。)

ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。

(ひろいもんのしたには、このおとこのほかにだれもいない。)

広い門の下には、この男のほかに誰もいない。

(ただ、ところどころにぬりのはげた、おおきなまるばしらに、きりぎりすがいっぴきとまっている。)

ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。

(らしょうもんが、すざくおおじにあるいじょうは、このおとこのほかにも、)

羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、

(あまやみをするいちめがさやもみえぼしが、もうにさんにんはありそうなものである。)

雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はありそうなものである。

(それが、このおとこのほかにはだれもいない。)

それが、この男のほかには誰もいない。

(なぜかというと、このにさんねん、きょうとには、)

何故かと云うと、この二三年、京都には、

(じしんとかつじかぜとかかじとかききんとかいうわざわいがつづいておこった。)

地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云う災がつづいて起った。

(そこでらくちゅうのさびれかたはひととおりではない。)

そこで洛中のさびれ方は一通りではない。

(きゅうきによると、ぶつぞうやぶつぐをうちくだいて、)

旧記によると、仏像や仏具を打砕いて、

(そのにがついたり、きんぎんのはくがついたりしたきを、)

その丹がついたり、金銀の箔がついたりした木を、

(みちばたにつみかさねて、たきぎのしろにうっていたということである。)

路ばたにつみ重ねて、薪の料に売っていたと云う事である。

(らくちゅうがそのしまつであるから、)

洛中がその始末であるから、

(らしょうもんのしゅうりなどは、もとよりだれもすててかえりみるものがなかった。)

羅生門の修理などは、元より誰も捨てて顧る者がなかった。

(するとそのあれはてたのをよいことにして、こりがすむ。ぬすびとがすむ。)

するとその荒れ果てたのをよい事にして、狐狸が棲む。盗人が棲む。

(とうとうしまいには、ひきとりてのないしにんを、)

とうとうしまいには、引取り手のない死人を、

(このもんへもってきて、すてていくというしゅうかんさえできた。)

この門へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。

(そこで、ひのめがみえなくなると、だれでもきみをわるがって、)

そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪るがって、

(このもんのきんじょへはあしぶみをしないことになってしまったのである。)

この門の近所へは足ぶみをしない事になってしまったのである。

(そのかわりまたからすがどこからか、たくさんあつまってきた。)

その代りまた鴉がどこからか、たくさん集って来た。

など

(ひるまみると、そのからすがなんわとなくわをかいて、)

昼間見ると、その鴉が何羽となく輪を描いて、

(たかいしびのまわりをなきながら、とびまわっている。)

高い鴟尾のまわりを啼きながら、飛びまわっている。

(ことにもんのうえのそらが、ゆうやけであかくなるときには、)

ことに門の上の空が、夕焼けであかくなる時には、

(それがごまをまいたようにはっきりみえた。)

それが胡麻をまいたようにはっきり見えた。

(からすは、もちろん、もんのうえにあるしにんのにくを、ついばみにくるのである。)

鴉は、勿論、門の上にある死人の肉を、啄みに来るのである。

(もっともきょうは、こくげんがおそいせいか、いちわもみえない。)

もっとも今日は、刻限が遅いせいか、一羽も見えない。

(ただ、ところどころ、くずれかかった、そうしてそのくずれめにながいくさのはえたいしだんのうえに、)

ただ、所々、崩れかかった、そうしてその崩れ目に長い草のはえた石段の上に、

(からすのふんが、てんてんとしろくこびりついているのがみえる。)

鴉の糞が、点々と白くこびりついているのが見える。

(げにんはななだんあるいしだんのいちばんうえのだんに、あらいざらしたこんのあおのしりをすえて、)

下人は七段ある石段の一番上の段に、洗いざらした紺の襖の尻を据えて、

(みぎのほおにできた、おおきなにきびをきにしながら、)

右の頬に出来た、大きな面皰を気にしながら、

(ぼんやり、あめのふるのをながめていた。)

ぼんやり、雨のふるのを眺めていた。

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