Diver

(あのすいへいせんがとおざかっていく)

あの水平線が遠ざかっていく

(あおすぎたそらにはあしたすらえがけなくて)

青すぎた空には明日すら描けなくて

(いきもできないくらいよどんだひとのむれ)

息もできないくらい澱んだ人の群れ

(ぼくはいつからここにもぐりこんだんだ)

僕はいつからここに潜り込んだんだ?

(かなしみなんてはきだしてまえだけみてればいいんだっけ)

悲しみなんて吐き出して　前だけ見てればいいんだっけ

(それじゃとてもまともでいられない)

それじゃとてもまともでいられない

(すべてをぼくがてきにまわしてもひかりをかすかにかんじてるんだ)

すべてを僕が敵にまわしても　光をかすかに感じてるんだ

(そこまでいけそうなら)

そこまで行けそうなら

(いきをしたくてここはくるしくて)

息をしたくて　ここは苦しくて

(やみをみあげるだけのよるはもがくげんあつしょうのだいばー)

闇を見上げるだけの夜は　もがく減圧症のダイバー

(いきているんだってたしかめたくて)

生きているんだって　確かめたくて

(ふかいかいていをめざしてもういちどこきゅうをしよう)

深い海底を目指してもう一度　呼吸をしよう

(あたまのなかのちずをひっくりかえしたら)

頭の中の地図をひっくり返したら

(たりないものだらけでひとりおびえたゆうべ)

足りないものだらけで　独り怯えた昨夜

(ぼくはつよいんだってずっとおもってた)

僕は強いんだってずっと思ってた

(だれよりもつよいってずっとおもってた)

誰よりも強いってずっと思ってた

(まいごになったはくちょうがほしのよぞらにうかんでいた)

迷子になった白鳥が　星の夜空に浮かんでいた

(なぐさめのようにふりだしたあめ)

慰めのように降り出した雨

(だけどどうやらぼくらはなれそうもないほしがほしならぼくはぼくさ)

だけどどうやら僕らはなれそうもない　星が星なら僕は僕さ

(どこまでいけそうかな)

どこまで行けそうかな

(おもたいいかりをしょいこんでほんのすこしいのりをはきだして)

重たい錨を背負い込んで　ほんの少し祈りを吐きだして

(まるであいずのようにふりだしたあめ)

まるで合図のように降り出した雨

(いきをしたくてここはくるしくて)

息をしたくて　ここは苦しくて

(やみをみあげるだけのぼくじゃうかぶほうほうもないだいばー)

闇を見上げるだけの僕じゃ　浮かぶ方法もないダイバー

(いきているんだってたしかめたいならそう)

生きているんだって　確かめたいならそう

(ふかいかいていをめざしてもういちどだけ)

深い海底を目指してもう一度だけ

(いきをしてみて)

息をしてみて

(ただのしあわせにきづいたらもうにどとおぼれないよ)

ただの幸せに気づいたら　もう二度と溺れないよ