シリョクケンサ

(かくしたほうのひだりめに)

隠した方の左眼に

(どんなぼくをうつしだすの)

どんな僕を映し出すの

(ひらいたほうのみぎめだけじゃ)

開いた方の右眼だけじゃ

(ほんとのぼくはみえないでしょ)

ほんとの僕は見えないでしょ

(しりょくけんさ)

シリョクケンサ

(にじゅうせんのぼくがいたずらにほほえむ)

二重線の僕が悪戯に微笑む

(わすれないで)

忘れないで

(きみのなかににせもののぼくがいる)

君の中に　偽物の僕がいる

(ゆびさしておしえてよきみのめにはみえてるんでしょ)

指差して教えてよ　君の眼には見えてるんでしょ

(ぼくのこころのすきまが)

僕の心の隙間が

(ぼやけてみえるのならめをとじてかまわないから)

ぼやけて見えるのなら　眼を閉じて構わないから

(きみがおもうままに)

君が思うままに

(ただしくぼくをあいせるように)

正しく僕を愛せるように

(きみのめをただしたくて)

君の眼を矯正（ただ）したくて

(つかいふるしたそのぐらすじゃ)

使い古したその眼鏡（ぐらす）じゃ

(ほんとのぼくはみえないでしょ)

ほんとの僕は見えないでしょ

(しりょくけんさ)

シリョクケンサ

(きえかけのぼくがかなしげにほほえむ)

消えかけの僕が　悲しげに微笑む

(わすれないで)

忘れないで

(きみのなかにほんとうのぼくがいる)

君の中に　本当の僕がいる

(めにうつるものだけをしんじることしかできない)

目に映るものだけを　信じることしかできない

(ぼくもきみもおなじだ)

僕も君も同じだ

(だからこそいまだけはそのこころにやきつけてよ)

だからこそ今だけは　その心に焼き付けてよ

(きみがしらないぼくを)

君が知らない僕を

(すこしずつみえなくなった)

少しずつ見えなくなった

(あのころはみえたけしき)

あの頃は見えた景色

(かわったのはきみのほうか)

変わったのは君の方か

(それともじぶんのほうか)

それとも自分の方か

(ゆびさしでおしえてよきみのめにはみえてるんでしょ)

指さしで教えてよ　君の眼には見えてるんでしょ

(ぼくのこころのすきまが)

僕の心の隙間が

(ぼやけてみえるのならこのむねにてをあて)

ぼやけて見えるのなら　この胸に手を当て

(きみにつたえるから)

君に伝えるから

(ほんとうのぼくを)

本当の僕を