沙羅双樹 島谷ひとみ

(こころささげこのみこがしこいのいたみさいたはなは)

心捧げ　この身焦がし　恋の痛み　咲いた花は

(あさにさきちりゆくゆうべつゆときえてはてるひまで)

朝に咲き散りゆく夕べ　露と消えて果てる日まで

(どうかせめていとしいあなたにしろくしろくさいたさらそうじゅ)

どうかせめて　愛しいあなたに　白く白く咲いた沙羅双樹

(こいこがれてむすんだきずなははかないとしるさだめ)

恋い焦がれて　結んだ絆は　儚いと知る運命（さだめ）

(あなたにであったあのひからねむれぬおもいはいきもできぬほど)

あなたに出逢ったあの日から　眠れぬ想いは息もできぬほど

(こころのすべてであいしてもかなわぬこいだとわかっていた)

心のすべてで愛しても　叶わぬ恋だとわかっていた

(なぜここでふたりであいかなしいこいにおちたのでしょう)

なぜ　ここでふたり出逢い　悲しい恋に堕ちたのでしょう

(なぜほしもささやくつきもともにみるとくるしいのでしょう)

なぜ　星もささやく月も　共に見ると苦しいのでしょう

(うつろうこいじにはかなきねがいよ)

うつろう恋路に儚き願いよ

(どうかせめていとしいあなたにそっとそっとさいたさらそうじゅ)

どうかせめて　愛しいあなたに　そっとそっと咲いた沙羅双樹

(あいしてるとひとこといえないこいならばちるわたし)

愛してると　一言云えない　恋ならば散る私

(あなたにであえてよかったとそれでもおもうのはおろかでしょうか)

あなたに出逢えて良かったと　それでも想うのは愚かでしょうか

(こいになきくれてこよいこそわすれるとこころにちかうのに)

恋に泣き暮れて今宵こそ　忘れると心に誓うのに

(なぜひとめあえるだけでふたりこころかわすのでしょう)

なぜ　ひと目会えるだけで　ふたり心交わすのでしょう

(なぜこえをきくたびむねはかえるばしょをなくすのでしょう)

なぜ　声を聞くたび胸は　帰る場所を無くすのでしょう

(うつろうこいじにはかなきねがいようつろうこいじにはかなきねがいよ)

うつろう恋路に儚き願いよ　うつろう恋路に儚き願いよ

(どうかせめていとしいあなたにしろくしろくさいたさらそうじゅ)

どうかせめて　愛しいあなたに　白く白く咲いた沙羅双樹